2021年2月15日に日本リート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が9,106円のところ12,100円で着地しました。

コロナ禍でも外部成長は活発

 2020年12月期も日本リート投資法人は活発な外部成長の動きを見せています。オフィス系J-REITで外部成長が活発な投資法人の1つです。2020年12月期はオフィスビルよりもレジデンスの取得が活発で分配金の安定化を図りつつ資産規模を拡大していくという戦法に出たようです。2020年6月末時点で、合計90物件の運用資産(取得価格合計249,243百万円)を保有していましたが、2020年12月期においては、2020年10月から11月にかけて物件の入換えを実施し、運用資産3物件の譲渡(譲渡価格合計9,324百万円)及び13物件の取得(取得価格合計13,796百万円)を行いました。

取得物件一覧
 オフィスビル
  ユニゾ神田須田町二丁目ビル(取得価格:1,311百万円)
  リードシー目黒不動前(取得価格:1,220百万円)
  ザ・スクエア(取得価格:1,080百万円)
  築地フロント(取得価格:825百万円)
  八丁堀リバーゲート(取得価格:835百万円)

 レジデンス
  ラルテ中津(取得価格:565百万円)
  シティヒルズ安堂寺(取得価格:1,750百万円)
  エルミタージュ新栄(取得価格:1,150百万円)
  サン・名駅南ビル(取得価格:950百万円)
  天神東レジデンス(取得価格:913百万円)
  DeLCCS KASAI(取得価格:1,320百万円)
  セレニテ新大阪(取得価格:1,148百万円)
  マリオン城西(取得価格:729百万円)

売却物件一覧
 オフィスビル
  目白NTビル(取得価格:3,920百万円)
  三井ウッディビル(取得価格:3,246百万円)

 商業施設
  光明池アクト(取得価格:2,158百万円)

 その結果、2020年12月期末のポートフォリオは、オフィス67物件(取得価格合計191,937百万円)、住宅31物件(取得価格合計55,349百万円)、商業施設2物件(取得価格合計8,120百万円)の合
計100物件(取得価格合計255,406百万円)及び匿名組合出資持分2件(出資額合計120百万円、出資先運用資産数合計10物件)となっており、投資法人が保有する合計100物件の総賃貸面積は309,182.27㎡となりました。

 運用面はポートフォリオの資産価値を維持・向上する運営管理を重視し、新規及び既存テナントに対する積極的な営業活動を展開するとともに、既存テナントとのリレーション強化によりテナントニーズや物件毎の特性を踏まえた物件競争力の向上に繋がる施策を実施しました。こうした取組みにより、2020年12月期末のポートフォリオの稼働率は97.6%となっています。これらの運用の結果、業績は、営業収益10,127百万円、営業利益6,088百万円、経常利益5,444百万円、当期純利益5,443百万円となりました。


LTVは上昇傾向も財務戦略レンジの範囲内
20210225日本リート投資法人LTV・DSCR推移

 日本リート投資法人は財務戦略として、中長期的に安定した財務基盤を構築するため、分散され、バランスのとれた資金調達を行うことを基本方針としています。有利子負債については、LTVの上限について60%を目途としていますが、2020年12月期末現在における投資法人のLTVは47.8%であり、45%から55%の間の水準で推移させることを当面のLTV水準に関する方針としています。
 2020年7月21日に返済期限の到来した借入金11,000百万円のリファイナンスにあたり、同日付で11,000百万円の借入れを行いました。新規物件の取得資金及びその関連費用の支払の一部に充当するため、2020年10月30日付で8,450百万円の借入れを行いました。また、2020年11月17日付の物件の譲渡代金を原資として、2020年12月2日付で2,700百万円の借入金の期限前返済を行いました。
その結果、2020年12月31日現在の有利子負債残高は132,620百万円となり、LTVは47.8%となりました。また、借入先については、2020年12月期末のシンジケートローン団を中心としたバンクフォーメーションを維持していくとしています。2020年12月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱日本格付研究所(JCR)長期発行体格付:A、格付の方向性:ポジティブ