2021年3月12日にエスコンジャパンリート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,489円のところ3,599円で着地しました。

サスティナビリティ対応に力を注入
20210318エスコンジャパンリート投資法人NOI推移

 2021年1月期は外部成長の動きはありませんでした。内部成長については商業施設に訪れる顧客とテナント従業員の皆さまの安全確保に引き続き留意しながら、空区画へのテナント誘致、契約期限到来時におけるテナントの入れ替え等の適切な運用資産の管理と収益向上のための施策を行い、中長期にわたる安定的な収益の確保に努めました。2021年1月期末時点の運用資産は28物件の稼働率は99.8%となっています。業績は、営業収益1,922百万円、営業利益1,111百万円、経常利益1,019百万円、当期純利益1,018百万円となりました。
 また、エスコンジャパンリート投資法人と資産運用会社は、ESGへの取組みが投資主価値向上に寄与するという認識のもと、環境負荷低減や地域コミュニティの活性化への取組みを推進しています。なお、投資法人は、tonarie大和高田、tonarie栂・美木多に続き、保有する2物件(tonarie南千里、tonarie清和台)について、2021年1月期においてDBJ GreenBuilding認証取得に向けた対応を行いました。その結果、非常に優れた「環境・社会への配慮」がなされた建物であるとして、株式会社日本政策投資銀行よりDBJ Green Building認証(評価ランク:three stars)を2021年2月19日付で取得しました。


食品スーパーを核としたテナントポートフォリオは大正解

 エスコンジャパンリート投資法人は、中長期的な安定的収益の確保及び資産価値の着実な向上のため、安定的かつ健全な財務運営を実現する為の資金調達を行っています。資金の借入れ及び投資法人債(短期投資法人債を含む。)の発行に際しては、資金調達の機動性と財務の安定性のバランス及び取得する不動産の特性等に配慮した資金調達を行います。具体的には、調達方法(借入金・投資法人債)、長期比率、返済期限の分散、担保提供の要否等を検討しています。2021年1月期末時点の有利子負債残高は24,430百万円、LTVといいまは43.5%となっています。2021年1月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱格付投資情報センター(R&I)発行体格付:A-、格付の方向性:安定的

 2021年1月期は金融緩和政策の継続の見込みなどからも、東証REIT指数は徐々に上昇基調となり、2021年1期末には1,800ポイント台半ばまで回復しまし、商業施設においては、再度の緊急事態宣言発出の影響を受け、特にアパレル、飲食業、サービス業には厳しい状況が続く一方、食品スーパー、ドラッグストア、ホームセンターなどの生活必需品を扱う業種は比較的堅調な状況と述べており、商業施設はテナントのタイプにより明暗が別れているようです。
 エスコンジャパンリート投資法人はリテール系J-REITなのですが、運用物件のおよそ半数が商業施設の底地です。テナントが儲けようが基本的に賃料は変わらないので分配金は安定しています。主力物件であるtonarieシリーズは底地ではありませんが、食品スーパーを核としているため上記の言葉を借りれば比較的堅調なので来期も今回程度の分配金は捻出できるのではないかと思います。