2021年3月12日に三井不動産ロジスティクスパーク投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が7,217円のところ7,283円で着地しました。
尚、利益超過分配金679円が含まれています。

パフォーマンスの割には運用報酬高くない?
20210319三井不動産ロジスティクスNOI・NCF利回り推移

 外部成長として2020年10月6日MFLP茨木(取得価格58,900百万円)、MFLP川口Ⅰ(取得価格18,500百万円)の取得を行いました。MFLP茨木の建物基本スペックとしては、基準階の倉庫部分は1フロア約9,000坪、柱間隔は柱芯で10.35m・10.75m、天井高は各階梁下有効5.5m、床荷重は1.5t/㎡と汎用的で十分な荷捌き・保管機能を備えた施設となっています。倉庫・ランプウェイに免震構造を採用し、非常用発電機、セキュリティシステム、カフェテリア・売店、LED照明、スカイラウンジ等も備えており、6階の倉庫には空調設備を備えているため、施設の付加価値を高める差別化が図られています。
 MFLP川口Ⅰ対象不動産は、4階建のスロープ型MFLPです。1階及び3階に接車可能なスロープ式物流施設で、1階は両面バースとなっていることから、高頻度の入出庫・搬出入に対応できる効率性の高い施設となっています。基本仕様としては、床荷重は1.5t/㎡、柱スパンは10.8m×10.3m、有効天井高は各階5.5m以上を確保しており、汎用性の高い仕様となっています。また、駐車場スペースは普通乗用車が93台、トラック待機場が9台分設置されており十分なスペースが確保されています。敷地内にはトラック出入り口が2か所設置されており、ワンウェイのオペレーションを行うことによって効率的な運用を行うことが強みです。
 運用面ですが、賃料の支払猶予や減免、テナントの退去もないようで特に何も施策を打たなかったようですが、2021年1月期末までの保有20物件(取得価格合計2,824億円)の運用を着実に行い、ポートフォリオ全体の2021年1月期末時点において稼働率100.0%と良好な稼働状況を維持しています。業績は営業収益8,139百万円、営業利益3,786百万円、経常利益3,580百万円、当期純利益3,579百万円となりました。
 物件数と築年数の短かさの割には資本的支出が多いですね。セキュリティシステムの更新工事は定期的に支払うことになるのは分かりますがMFLP久喜の車路LED照明設備設置工事やMFLP川口Ⅰのガードポール取付工事は取得前にやっておくべきではないかと思います。また、営業収入運用報酬比率が物流施設系J-REITの中で一番高いです。運用歴が短いので出資の払戻しを利用した分配で配当利回りを高くしてアピールしたいのは分かりますがまずは当期純利益を高くし、利益での分配金をめい一杯行うことを始めに考えてほしいですね。ちょっと残念ですね。


JCR格付の方向性がポジティブに格上げ

 三井不動産ロジスティクスパーク投資法人の財務戦略は新投資口の発行、借入等の資金調達に際しては、安定的な財務運営を行うとともに、分配金については、キャッシュフロー(FFO)に基づき継続的に利益を超える金銭の分配(出資の払戻し)を行うことで安定的な分配金水準の確保及び効率的なキャッシュマネジメントを両立させています。2021年1月期の財務戦略の実施状況は、2020年10月5日を払込期日とする公募増資により45,922百万円を、2020年10月19日を払込期日とする第三者割当増資により2,296百万円をそれぞれ調達し、2021年1月期末時点の出資総額(純額)は184,168百万円となりました。期中の動きはMFLP茨木及びMFLP川口Ⅰの取得資金として、2020年10月に31,000百万円(短期借入金6,500百万円、長期借入金24,500百万円)、短期借入金の返済資金として、2020年9月に2,000百万円(短期借入金)、2020年11月に3,000百万円(短期借入金)、2020年12月に2,700百万円(短期借入金)及び2021年1月に5,900百万円(短期借入金)の借入れを行い、2021年1月期中にかかる短期借入金の一部及び減価償却等から生じる内部留保を原資として合計19,200百万円(短期借入金)の返済を行いました。その結果、2021年1月期末末における有利子負債の残高は総額88,300百万円(短期借入金5,900百万円、長期借入金82,400百万円)、LTVは31.0%となりました。2021年1月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱日本格付研究所(JCR)長期発行体格付:AA-、格付の方向性:ポジティブ