2021年3月12日にヘルスケア&メディカル投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,205円のところ3,226円で着地しました。
尚、利益超過分配金300円が含まれています。

テナント中途解約・賃料減免は無し
20210324ヘルスケア&メディカル投資法人賃貸事業利益

 2021年1月期は、新たな資産の取得・譲渡は行っていません。2021年1月期末36物件を保有しており、総賃貸可能面積186,358.75㎡、稼働率100.0%となっています。ヘルスケア&メディカル投資法人自身がコロナウイルスの感染拡大を受け、当面厳しい状況が続くものと予想しているとおり、ホテルとは逆に老人ホーム等ヘルスケア施設のオペレーターの方が忙しくて悲鳴を上げています。
投資法人が保有するヘルスケア施設のオペレーターとの間で原則として賃料固定・長期の賃貸借契約を締結しており、2021年1月期末時点で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による業績への悪影響はなく、また、テナントとの賃貸借契約の中途解約、賃料減免及び支払猶予は発生していないということです。
 また、内部成長としての取組みで、コロナウイルス感染症対策としてシップヘルスケアグループのオペレーター、グリーンライフ及びグリーンライフ東日本では、低濃度オゾン発生装置 Airness(エアネス)を全施設に導入しています。オゾンは強い酸化力を持ち消臭・除菌に⽤いられ、医療・介護の分野でも臭いなどの空気環境の改善や利⽤者の居住性や快適性への配慮職員の労働安全衛生などの解決手段として利用されています。2021年3月21日に緊急事態宣言は明けましたが、今後も状況を注視する必要があります。201年1月期の営業収益は2,058百万円、営業利益は1,067百万円、経常利益は910百万円、当期純利益は910百万円となりました。


LTV・DSCR水準に特段変更なし

 ヘルスケア&メディカル投資法人の財務戦略は、中長期的に安定した収益の確保及び資産価値の維持・向上のため、安定的な財務運営を行うことを基本方針としています。2021年1月期においては、2021年1月29日に返済期日が到来した借入金3,000百万円及び既存借入金の期限前返済資金
に充当するため2021年1月29日付で3,700百万円の借入れを行いました。また、2021年1月29日付で既存借入金700百万円の期限前弁済を実施しました。2021年1月期末時点での出資総額(純額)は32,152百万円、発行済投資口の総口数は311,001口、有利子負債は総額33,150百万円です。2021年1月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱日本格付研究所(JCR)長期発行体格付:A、格付の方向性:安定的

 2016年3月18日付閣議決定の「住生活基本計画(全国計画)」において、高齢者人口に対する高齢者向け住宅の割合を2014年の2.1%から2025年に4%まで引き上げる成果指標が掲げられたものの、高齢者向け施設・住宅の供給は年々増加しているものの、⾼齢者人口に対する有料⽼⼈ホームの
供給率は2019年において1.6%にすぎず、更なる供給促進が求められています。コロナウイルスの対応や地域医療構想という都道府県と医療関係者が一体となって対応が必要となるところもあるためヘルスケア施設を取り巻く環境はかなり遅行しながら進んでいるようです。