2021年3月17日にアドバンス・レジデンス投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が5,540円のところ5,600円で着地しました。
募集条件緩和で稼働率下落を食い止める
2021年1月期の外部成長は、第三者からレジディア中野富士見台及びレジディア城北公園通の2物件を取得価格合計29億円で取得し、レジディア代々木の杜及びレジディア経堂の2物件(取得価格合計10億円)を売却する入替を行いました。これにより、NOIは97百万円増加する見込みであり、2.9億円程度の売却益を実現しました。当該売却益のほとんどは内部留保し、今後の分配金の安定化を図るとしています。内部成長の取組みは、当期は、コロナ禍により都心の狭小住戸を中心に解約が増加したことから、同タイプの住戸を中心に賃料などの募集条件を緩和し、稼働率の下落を抑えることに努めました。その結果、期中平均稼働率は、業績予想の96.0%にはわずかに届かなかったものの95.9%(前期比-0.8%pt)に留めました。入替時賃料変動率は、前期の過去最高の+5.5%から一転、当期は+1.2%と急減速しました。都心狭小物件の需要喚起のため、当該住戸の賃料を引下げたことが主な要因です。更新時賃料変動率も、コロナ禍において8月から11月(4ヶ月間)まで値上げ打診を中止していたことにより、前期の+1.2%から+0.4%となっています。ただし、そのような中においても、都心部の住戸を含め、十分な広さの住戸については、引き続き底堅い需要が見られ、賃料を引き上げることができているということです。
計画的に大規模修繕工事を実施し、保有物件の機能維持・意匠の改善を図っています。加えて、大規模修繕工事を行った物件を中心に、個別住戸についても、設備更新や間取り変更等を伴うバリューアップ工事をテナント入替時に実施することで、競争力の維持・向上に努めています。大規模修繕工事は、当期10件(工事金額税抜 899百万円)実施しました。また、バリューアップ工事につ
いては、前期中に中国からの住設機器の仕入れの滞りが解消されていたこともあり、計21件(工事金額税抜76百万円)実施することができました。バリューアップ工事を実施した住戸のうち、2021年1月期末までに新たな賃貸借契約が締結された9戸では、前契約賃料に対して、賃料を平均約26.6%引き上げることができ、コロナ禍においても、従前同様、バリューアップ工事が効果的に内部成長に寄与しました。
平均支払金利の低減、調達年数の伸長及び支払金利の固定化比率の増加
財務戦略の基本方針は、有利子負債の調達金利の低減と残存年数の長期化、金利の固定化、返
済期日の分散化です。当期、コロナ禍においても、金融機関の本投資法人に対する貸し出し姿勢に変化はなく、総額149億円(平均支払金利0.36%、平均調達年数8.7年)の借入れ等(投資法人債を含む。)を実施できました。これにより2021年1月期末の平均支払金利は0.69%となり、前期の0.70%から支払金利の低減を実現しました。また、残存年数は4.75年から4.81年に長期化し、支払金利の固定化比率は97.4%から98.4%になり、平均支払金利低減と合わせて財務基盤の一層の強化を図ることができました。また、平均支払金利低減のため、㈱千葉銀行を新規レンダーとして招聘し、引き続き財務基盤の強化に努めています。
サステナビリティ対応として省エネ対策の一環として、保有物件の共有部の照明のLED化を進めており、当期は新たに7物件においてLED化を行い、当期末現在で95物件(ポートフォリオの35.1%相当))においてLED化が完了しています。また、賃貸借契約においてはグリーンリース条項の導入を促進し、2021年1月期末で賃貸戸数のうち、56.8%の住戸に係る賃貸借契約において、グリーンリース条項が導入されています。DBJ Green Building認証については、2021年1月期末で23物件、ポートフォリオの延床面積ベースで30.1%について取得しています。また、電気消費量のデータ把握率の向上及びグリーンリース条項の導入促進等が評価され、アジア・住居セクターにおいて首位の評価を得たことを示す「セクターリーダー」に選出されています。
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