2021年4月15日に三菱地所物流リート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が6,520円のところ6,619円で着地しました。
尚、利益超過分配金666円が含まれています。

第3回目の緊急事態宣言でECの利用拡大がさらに加速しそう
20210428三菱地所物流リート投資法人NOI推移

 不動産売買取引市場においては、物件タイプごとの選別色は鮮明になっており、コロナ禍の状況下においても安定した収益が期待できる物流施設や賃貸住宅への投資家の関心は高く、今後も活発な取引が予想されます。米国の長期金利は上昇傾向にあり、引き続き金利動向等への注視が必要ですが、投資家が投資対象を物色する動きは根強く、安定したキャッシュ・フローの見込める物流施設については足下の取引利回りは引き続き低位で推移しています。

 2021年2月期のJ-REIT市場においては緩やかな回復が続き、東証REIT指数は2021年2月17日に一時2,000ポイントを超え、その後米国の金利上昇懸念等を背景に若干低下する局面もありましたが1,900ポイントから2,000ポイントにかけて推移しています。経済が正常化に向かう中で、金利環境の変化等に伴うボラティリティの上昇に注視する必要があると考えています。

 物流施設市場では、このような状況下においても、外出自粛要請を背景としてECの利用拡大が加速している点に注目が集まっており、今後もオンライン消費の拡大や在庫拡大による物流施設需要の増加が期待されます。上記を背景に、新規供給量が高い水準にある中でも高水準の新規需要が続いており、空室率は引き続き低位で推移しています。今後も高水準の供給が続くものの、未竣工物件のリーシング進捗も順調であり、投資法人のポートフォリオを含めた稼働中の物件に与える影響は限定的であると考えています。2021年2月期は物件の売買はありませんでした。前期に続き19物件(取得価格合計142,194百万円)を保有しており、ポートフォリオ全体の稼働率は99.7%と高稼働を維持しています。業績は営業収益4,203百万円、営業利益2,204百万円、経常利益2,074百万円、当期純利益2,073百万円及び投資口1口当たり分配金6,619円となりました。


LTVも低く安全性はJ-REIT屈指の高さ

 三菱地所物流リート投資法人の財務戦略は、長期安定的な財務運営を基本とし、成長性に配慮した借入比率のコントロールと効率的なキャッシュマネジメントを行うことにあります。エクイティファイナンスは、第9期取得資産の取得資金の一部に充当することを目的として、公募増資により40,500口の新投資口の発行を行い、2020年9月1日に16,898百万円を、またオーバーアロットメントによる売り出しに係る第三者割当増資により1,922口の新投資口の発行を行い、2020年9月30日に801百万円の資金を調達しました。これにより、2021年2月期末の出資総額(純額)は97,512百万円、発行済投資口の総口数は348,237口となっています。

 デットファイナンスの方は長期・短期の借入期間及び固定・変動の金利形態等のバランス及び返済期限の分散等にも十分配慮して借入れを行うことを基本方針としています。2021年2月期においては、第9期取得資産の取得資金の一部に充当することを目的として、2020年9月1日付で短期借入金2,600百万円及び長期借入金10,400百万円の借入れ(㈱三菱UFJ銀行によるJ-REIT向けESG評価ローン及び㈱三井住友銀行によるSDGs推進資金調達を含む。)を行いました。なお、短期借入金のうち800百万円については、第三者割当増資による手取金を原資とし、2020年10月1日付で期限前返済しました。また、2020年10月9日に期限の到来した短期借入金950百万円について、同額(短期借入金200百万円及び長期借入金750百万円)でのリファイナンスを行いました。

 これらの結果、2021年2月期の有利子負債残高は47,574百万円となり、LTVは31.4%となりました。
また、2021年1月18日付で無担保投資法人債(特定投資法人債間限定同順位特約付)(グリーンボンド)の発行に向け、訂正発行登録書(発行登録書は2020年4月17日提出)を関東財務局長に提出しています。グリーンファイナンス・フレームワークに対する第三者評価として㈱日本格付研究所(JCR)より「JCRグリーンファイナンス・フレームワーク評価」の最上位評価である「Green1(F)」を取得しています。2021年2月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱日本格付研究所(JCR)、長期発行体格付:AA-、格付の見通し:安定的