一般社団法人日本ショッピングセンター協会から2021年3月時点のSC販売統計調査報告が公開されておりますのでご紹介致します。

URL SC販売統計調査報告2021年3月

20210504SC販売統計調査報告2021年3月

 2021年3月度の既存SC売上高(総合)は前年3月が営業時間短縮や外出自粛により大きく落ち込んだ反動で前年同月比+12.5%となりました。テナントは総合で同+14.3%、キーテナントは同+5.7%となり、前年3月の落ち込みが大きかった分テナントのプラス幅がキーテナントを上回りました。
 前年同月を上回ったのは消費増税の駆け込み需要がみられた2019年9月以来18か月ぶりですが、コロナ影響を受けていない前々年(2019年3月)と比べると総合で約▲20%と厳しい状況が続いています。
 立地別・構成別をみると、中心地域・総合が前年同月比+11.1%、周辺地域・総合が同+13.1%となっています。前年3月の落ち込みが比較的小さかった周辺地域・キーテナント以外では10%超の伸長がみられました。しかしながら、2019年比では、大都市・総合が約▲30%、中都市・総合が約▲20%、周辺地域・総合が約▲15%の水準となっており、コロナ前の水準には回復していない状況です。


20210504既存SC売上高伸長率

 立地別・地域別をみると、北海道は前年3月に▲45.2%と他地域と比較して大きく落ち込んだこともあり、当月は前年同月比+30.7%と大きなプラスとなりました。一方、コロナ感染者数が急増した宮城県を含む東北は中心地域が同▲1.7%と全地域で唯一のマイナスとなり、周辺地域も同+4.7%と小幅な回復となった結果、総合でも同+2.6%のプラスに留まりました。
 都市規模別・地域別をみると、札幌市が総合で前年同月比+31.1%、北海道(札幌市を除く)が同+28.7%と大きく伸長しました。また、大都市では東京区部が同+12.2%と、21日までの緊急事態宣言が明けて以降、徐々に来館者が戻ってきたこともあり、札幌市に次ぐプラス幅となりました。一方、仙台市は同▲8.7%で、コロナ感染の急拡大を受けて宮城県と共同で独自の緊急事態宣言を発出(18日)したこともあり、来館者が大幅に減少したことが影響し前年を下回っています。
業種別動向をみると、2月に続き暖かい日が続いたこともありアパレルは春物商材が堅調だった。また、3月21日まで緊急事態宣言が継続されていた1都3県では、宣言解除に伴い飲食店の時短要請が20時から21時に緩和され夜の時間帯の集客が改善したとの回答もみられました。

 GWも緊急事態宣言によりどこも行けない方も多いとは思いますが、ホテル・商業施設はかなり厳しい状況になっています。合併したばかりの日本都市ファンド投資法人にとっては苦難の船出となりますね。観光客の減少により福岡リート投資法人ではオフィスの方に目を向け始めています。緊急事態宣言明けの回復とワクチンの普及を期待してそれでもJ-REITの投資口価格は高めなので各投資法人の施策に注目していきたいですね。