しんきんアセットマネジメントJ-REITマーケットレポート2021年4月

 2021年5月7日にしんきんアセットマネジメントよりJ-REITマーケットレポートが開示されましたのでご紹介致します。


 2021年4月のJ-REIT市場は、堅調な動きが継続しました。高値警戒感や長期金利の上昇を受け、月初は続落して始まりました。ただ、バイデン米大統領が発表した巨額のインフラ投資計画や良好な米雇用統計を好感し、買いが優勢になりました。景気回復期待から投資家心理が上向く中、株式市場に比べた出遅れ感も手伝い、9日には東証REIT指数は2,050ポイントを上抜けました。その後は、東証REIT指数は2,050ポイントを挟んだ一進一退の動きが続きました。
  新型コロナウイルスの感染が拡大を続ける中、東京などへの緊急事態宣言の再発令は重しとなったものの、J-REITの相対的に高い分配金利回りに着目した買いなどから、月末にかけても底堅く推移しました。今後は、高値圏での底堅い動きを予想します。3月の東京都心のオフィス空室率は上昇しましたが、市場への影響は限定的でした。空室率の上昇にもかかわらず、分配金が安定していることは安心材料です。長期金利が低位で推移する中、J-REITの相対的に高い分配金利回りに着目した買いも期待できます。とはいえ、新型コロナの感染が再拡大する中、東京都などを対象に緊急事態宣言が再発令されたことを受けて、景気下押しへの懸念が一段と強まる可能性があります。J-REIT市場は、株式市場に比べ出遅れ感もあり、底堅い推移が見込まれるものの、新型コロナの感染拡大が落ち着き、緊急事態宣言による景気の下押しを織り込むまでは上値の重い展開が続く可能性があります。

4月の主要指標
20210510しんきんアセットJ-REITレポート2021年4月

 東証REIT指数
  2,063.80円前月比(+2.5%)

 東証REIT指数(用途別)  
  オフィス   2,007.02(前月比+4.2%)
  住宅     3,257.22(前月比+2.2%)
  商業・物流等 2,527.35(前月比+1.0%)

【出典:しんきんアセットマネジメントJ-REIT市場の現状と見通し】

 3月に引き続き4月もJ-REITは全体的に高めの投資口価格で推移しています。新型コロナウイルスのワクチンが導入されることが投資口価格に影響を与えるという見方もありましたが、現状特段J-REITの投資口価格に影響を与えるまでには至っていません。東京都や大阪府、兵庫県、京都府は5月末まで緊急事態宣言が延長されることが決定したことでリテール系J-REITの投資口取得には注意が必要です。緊急事態宣言の対象地域に愛知県と福岡県を追加することからこれらの地域に商業施設を保有してる投資法人は賃料減少のリスクが高まることにも留意して下さい。