2021年6月1日に福岡リート投資法人が天神西通りビジネスセンター(底地)を無事取得しました。また、合わせてキャナルシティ博多・Bのグランドビル部分の星野リゾート・リート投資法人への売却も完了しています。
取得資産の概要
①取得資産:天神西通りビジネスセンター(底地)
②取得価格:7,700百万円
③鑑定評価額:7,790百万円(2021年2月時点)
④売買契約締結日:2021年3月18日
⑤引渡日:2021年6月1日
⑥取得先:福岡地所㈱
⑦取得資金:譲渡資産及び自己資金
⑧支払方法:引渡時全額支払
⑨立地:九州最大の都市集積を誇る「天神」エリアに所在し、その中でも最もオフィス街としての成熟度が高い「明治通り」沿い及び商業施設が集積する「天神西通り」付近に立地しているため、非常に高い立地競争力を有しています。明治通りは天神エリアを東西に走り、沿道には、地元金融機関の本店やメガバンクの支店、証券会社の支店、福岡証券取引所等、金融機関が多く集積するほか、商業施設も集積し高度な商業地域を形成しています。現在、福岡地所㈱が開発を推進する「天神ビジネスセンター」も同じ沿道に所在しています。また、天神西通りは、商業施設が集積する天神エリア有数の繫華性の高い商業地域で百貨店・商業専門店が集積する東側エリア、ベンチャー企業等が入居するオフィスや専門学校等がある西側エリアで構成されています。
「明治通り」と「天神西通り」の交差点付近に立地するため、視認性も良好で、 豊富な人通りも高く評価しています。今回の底地が位置する「天神ビッグバン」エリア内の「天神2丁目南ブロック(明治通り沿道)」は、容積率について、900%にまちづくりの取組みに応じて最大400%を加算し、容積率の最大限度は1,300%となっています。福岡市の決定した地区計画においては、地下鉄天神駅から天神西通り方面へのバリアフリー化された地下歩行者用通路を整備すること、地下鉄天神駅・地下歩行利用者 用通路に接続する広場及び地下部から地上部への出入口の確保を行うこと、また、明治通りと市 道天神 23 号線を結ぶ歩行者用通路を整備し歩行者の回遊性の向上を図り明治通りと南北の連絡強化に努めることとされています。このエリアの再開発の他にも、近隣にて、「旧大名小学校跡地 開発事業」が進められており、これらが竣工した際には、さらに「天神」エリアの訴求力が高まる ものと期待しています。
天神西通りビジネスセンター(底地)は、福岡市営地下鉄空港線「天神」駅から徒歩約 1分の場所に立地しています。また、福岡市が推進する「天神ビッグバン」エリアのうち「天神2丁目南ブロック(明治通り沿道)」に位置し、今後の天神ビッグバンボーナスのインセンティブを活用した再開発が期待されています。
物件は底地であり、本物件上の既存建物の再開発期間中及び再開発完了(検査済証取得日)後9ヵ月経過後に最初に到来する2月末日又は8月末日までの期間は、賃借人となるスポンサーの福岡地所㈱からの安定した賃料収入を得ることができるとともに、その後は、マーケットの変動に合わせた賃料収入を得ることができる土地賃貸借契約の契約形態を採用しています。
※天神ビッグバンとは、福岡市の「天神」エリアにおいて、「グローバル創業・雇用創出特区」によって獲得した「航空法の高さ制限の特例承認」の活用と、福岡市独自のまちづくりを促す「容積率の緩和」により、都市機能の大幅な向上と増床を図っていく施策です。2015年2月に始動したプロジェクトであり、「天神交差点」から半径約500m、約 80 ヘクタールが対象エリアとなり、10年間で30棟の民間ビル建替えを誘導しています。なお、感染症対策機能の導入を促すとして、対象ビルの竣工期限を 2024年末から2026年末までの 2 年間延長し、2026 年 12 月末までに竣工予定ビルに対して、容積率を最大50%ボーナスする容積率緩和制度(天神ビックバンボーナス)が創出されています。
譲渡資産の概要
①譲渡資産:キャナルシティ博多・B・グランドビル
②譲渡価格:7,700百万円
③帳簿価額:5,762百万円(2021年4月時点)
④売買契約締結日:2021年3月18日
⑤引渡日:2021年6月1日
⑥売却先:星野リゾート・リート投資法人
⑦支払方法:引渡時全額支払
⑧譲渡理由:キャナルシティ博多・Bのグランドビルについては、日本初の「グランドハイアットブランド」の展開となる「グランドハイアット福岡」として、1996年の開業以来、国内外の顧客から多くの支持を得ていました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に よる、インバウンド顧客の落ち込みや、また宴会・婚礼・飲食部門における需要変動リスクを鑑み、投資法人では、宿泊部門以外のフロアのリニューアル若しくは用途転換による収益の安定化、又は物件の譲渡等を含め、テナントとも対話を行いながら、様々な検討を進めていました。
このような状況において、譲渡先である星野リゾート・リート投資法人から譲渡について以前より打診を受けていたため、具体的に検討を進めた結果、投資タイプの多様化(商業施設 投資比率の低下)によりリスク分散につながる点、星野リゾート・リート投資法人への譲渡により、星野リゾートグループがキャナルシティ博多全体の運営の一部に関与することにより、当該物件における 国内客の需要拡大が期待できる点等を総合的に勘案し、中長期的な投資主価値の最大化につながるとの判断から、譲渡を決定。
今後は星野リゾートグループと連携し、本投資法人が所有する商業施設部分及びオフィスビル部分と の相乗効果の最大化を図り、キャナルシティ博多全体の活性化につなげていく方針。なお、売却により得られた資金は、上記の新規取得物件の取得資金に充当されています。
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