日本格付研究所(JCR)がヒューリックリート投資法人の長期発行体格付けをAA-(ポジティブ)からAA(安定的)に引き上げると発表しました。

 ヒューリックリート投資法人は、スポンサーであるヒューリックにおいて開発・運用実績が豊富なオフィスを中心とする「東京コマーシャル・プロパティ(TCP)」をポートフォリオの中核とし、「次世代アセット・プラス(NGA+)」(有料老人ホーム、ネットワークセンター、ホテル等)に対しても一定割合を投資することで、資産規模の拡大とキャッシュフローの安定化を進めています。現在のポートフォリオは58物件、取得金額総額3,499億円。取得価格ベースで78.2%を占めるTCPについては、立地の優位性に優れ(81.5%が都心6区に、69.4%が最寄駅から徒歩1分以内に位置する)、相対的に競争力の高いポートフォリオの構築が進んでいます。

 コロナ禍においても引き続き安定した運営が継続されており、JCRでは、2020年8月期及び 2021年2月期について、新型コロナウイルス感染拡大による事業環境や本ポートフォリオへの影響を留意していたものの。一部のテナントに対して賃料の一時減額・支払猶予等を実施したが、ポートフォリオ全体への影響は限定的であり、また、資産価値への影響も特段みられていない。物件の分散効果や商業施設・ホテルにおける高い固定賃料割合、さらにはスポンサーグループによるPMに係るサポート体制等が奏功していることを評価しています。テナントの長期入居が想定される銀行店舗等、スポンサーが開発した良質な物件の取得によりポートフォリオの分散とキャッシュフローの安定性が継続的に向上しており、中期的にも安定したポートフォリオマネジメントが想定されるとしています。また、LTV水準等の財務指標についても特段の懸念はないとし、以上より格付を1ノッチ引き上げ、見通しを安定的としました。

 オフィスビルマネジメントにおいて高い稼働実績を有するヒューリックからのサポート体制を背景に、上場来ポートフォリオ全体の稼働率は高水準で推移している。コロナ禍においてもポートフォリオ全体の稼働率は 21/2 期末で 99.6%、TCP で 99.3%、NGA+で 100%と高水準にある。一部の物件で新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けキャッシュフローの低下が見込まれていたが、スポンサーとの協業により物件入替を実施するなどスポンサーサポートを活用した収益安定化に向けた取り組みが継続されている。

 財務面では、ヒューリックの主力行を中心とした財務基盤が構築され、現在の財務内容において特段の懸念事項はなく、借入期間の長期化、返済期限の分散化および金利の固定化を図った調達が実施され、2021年2月期末で有利子負債の平均借入残存年数は4.4年、長期固定金利比率は 97.7%と、金利上昇リスクへの耐性は比較的高い。総資産ベースのLTVは2021年4月月に実施した公募増資を通じて46.1%から44.6%へ引き下げられ、引き続き、資産運用会社が掲げる巡航水準を意識しながら安定的にコントロールされているとしています。

 ヒューリックリート投資法人は定期的にスポンサーが開発した物件を中心に取得しているので資産規模は右肩上がりで上昇中です。なかなかNOI利回りベースで見ると気厳しい物件もちらほら有りますが、オフィスビルは皆さんが思うほど安定性が低い訳では無いということを確認できるオフィス系J-REITでもあります。