2018年10月29日付にて公表した「KYB㈱及びカヤバシステムマシナリー㈱が製造した免震オイルダンパーの使用物件に関するお知らせ」及びその後の続報でお知らせした、投資法人が所有している物件のうち、不適合品が使用されていることが判明した2物件について、カヤバシステムマシナリー㈱の費用負担のもとスターツプロシード投資法人の施工会社が国土交通大臣認定の性能評価基準に適合する新たな免震オイルダンパーへの交換工事を実施しておりましたが、この度、交換工事が完了し、2021年2月22日付及び 2021年5月 14日付で免震オイルダンパーに係る是正工事完了報告書が交換工事を所管するそれぞれの行政庁により受理したということです。

 このKYBとその子会社カヤバシステムマシナリー㈱が製造した免震・制振装置に検査データの改ざんがあり、国土交通省の基準や顧客の性能基準に合わない製品を出荷していたと発表した。不適合品は、疑いがあるものも含めると、マンションや病院、庁舎など全47都道府県の建物計986件で使われているという問題でした。
 「免震用オイルダンパー」と「制振用オイルダンパー」は、建築基準法による耐震性をクリアした建物に備える装置で、2000年3月から2018年9月までに製造されていました。スターツプロシード投資法人は運用物件でこのオイルダンパー使用の調査を行い2物件が同社のオイルダンパーを使用していることが分かりました。

 しかし、スターツプロシード投資法人は「KYB株式会社及びカヤバシステムマシナリー株式会社が製造した免震オイルダンパーの使用物件に関するお知らせ」にてお知らせしました1物件及びその時点では適合品と報告を受けていた別の1物件について、ともに不適合品が使用されていることが判明しました。としていましたが・・・。
 「施工会社が提出した検証結果資料に基づき第三者機関が当該検証の妥当性を審査した結果、施工会社の検証結果は妥当であり、かつ、本物件が極めて稀に発生する地震動に対して倒壊・崩壊しないことが確認され、第三者機関から施工会社へその旨の評定書が交付されました。」いうコメントだけでもって結局物件名を明らかにしませんでした。

 物件名を出すことで稼働率に影響があると考えたのだと思いますが、問題が無い旨の評価書が第三者機関から施工会社へ交付されたのであれば、物件名を開示することの方がIR戦略としては重要なはずです。資産運用会社のIR部門としての質は他の資産運用会社より劣ると言わざるを得ないですね。