2021年6月11日に平和不動産リート投資法人が取得している日本格付研究所㈱(JCR)からの発行体格付がA+(安定的)→A+(ポジティブ)に見通しが変更されたと発表しました。

 平和不動産をスポンサーとする複合型の J-REIT。東京都区部を中心としたオフィス及びレジデンスへの投資を実践している。資産運用会社(AM)は平和不動産アセットマネジメント。現行ポートフォリオは計113物件(オフィス34物件、レジデンス79物件)で構成され、取得価格総額1,929億円の資産規模であり、相対的に高い分散度が維持されています。

 スポンサーとの協業をベースとした賃貸事業運営について、コロナ禍の影響は現状限定的であり、安定した推移を確認できる。2020年11月期で5.32%のNOI利回り(簿価ベース)、オフィスにおける賃料増額改定の実績、2021年4月末で97.3%の稼働率等のトラックレコードが示されています。
 加えて資産入れ替えや、5年半ぶりの実施となった公募増資を絡めつつスポンサーサポートも活用した新規物件取得といった、ポートフォリオの質の改善や規模拡大に向けた取り組みが続けられており、資産規模は2020年11月期末比8.3%増となりました。
 こうした点から、コロナ禍によるテナント動向等が特にオフィス賃貸市況に与える影響については引き続き留意を要するが、投資法人のポートフォリオ・キャッシュフローの安定性は強化されていくものとJCRでは想定しています。また、レバレッジコントロールや資金調達などの状況からみて、健全な財務運営が継続されている。以上を踏まえ、格付は据え置くものの、見通しをポジティブに変更した。ということです。
 
 外部成長に関しては2021年5月期以降、「東菱ビルディング」を25億円で取得する一方、「HF高輪レジデンス」を11.3億円で売却する資産入れ替えが行われた。加えて、上述の公募増資も絡め、「大崎CNビル」やスポンサー開発による築浅のレジデンス3物件(「HF正光寺赤羽レジデンスⅡ」、「HF八広レジデンス」、「HF世田谷上町レジデンス」)を含めた8物件(信託受益権の追加取得2物件を含む)を、計131億円で新規取得しています。

 今後についてもスポンサーパイプラインの活用などを通じた資産入れ替えや新規物件取得が想定される中、本投資法人の取得時の目線を堅持したポートフォリオ・マネジメントの継続状況に注目しています。内部成長では、オフィスの賃料ギャップ(2020年11月期:▲5.04%)縮小に向けた取り組みや、経年物件(現行ポートフォリオの平均築年数:20.7 年)への適切なCAPEX対応などについてフォローしていくということです。

 平和不動産リート投資法人はレジデンスが主力でありながらオフィスビルもそれなりに持っています。先日のMoodysはオフィスビルの将来性に疑問を感じているのとは逆にJCRは別にレジデンスを積極取得していれば高評価しているというガバカバっぷりは流石ですね。

 平和不動産リート投資法人は悪い投資法人ではないですが、スポンサーが他の投資法人と比べると規模が小さいため過小評価されている傾向さえあります。格付けはあくまで投資法人債を引き受けているレンダー向けの評価ですが、投資家さんにとっても、レンダーが投資法人をどう見ているかは知っておいて損は無いので投資口取得の際の参考としては使えると思います。