2021年6月15日にスターツプロシード投資法人の決算が発表されました。分配金は当初の予想一口当たり分配金が4,530円のところ4,663円で着地しました。

2021年3月~4月は入居が退去を上回っている
20210621スターツプロシード投資法人賃貸事業利益推移

 2021年4月期は、築年数の経過に伴う大規模修繕工事等によるコストの増加及び設備の老朽化による競争力の低下等の将来の価格下落リスクを回避する見地から、2021年4月26日に(C-21)プロシード八千代緑ヶ丘Ⅰ(譲渡価格415百万円)及びプロシード八千代緑ヶ丘Ⅱ(譲渡価格370.5百万円)の2物件を譲渡し、2021年4月27日にプロシード流山おおたかの森(取得価格1,069百万円)を取得して資産の入れ替えを行いました。その結果、2021年4月期末における本投資法人の保有資産は106物件、取得価格の合計は88,268百万円、総賃貸可能面積は192,166.37㎡となりました。
 運用面は、プロパティマネジメント会社であるスターツアメニティー㈱と緊密な連携を取ることにより、賃料水準の改善や礼金収受等収入の増加を図りつつ、建物維持管理コストの削減にも取り組みました。地域の特性や個別物件の優位性の把握、近隣競合物件との比較分析を徹底し、きめ細かく募集条件を設定し、募集店との協調による入居促進活動を行いました。また、継続的に空室を早期商品化へ転換を図ることにより、高稼働率の維持を指向して来ました。これらの施策によって、ポートフォリオ全体の稼働率は、期中を通じて目標ラインとする95.0%を超える稼働率で安定推移し、期中の平均稼働率は95.6%、期末(2021年4月末)の稼働率は95.4%となりました。上記のような運用の結果、2021年4月期の業績として、営業収益3,160百万円、営業利益1,362百万円、経常利益1,163百万円、当期純利益1,183百万円を計上しました。


コロナ禍でも投資法人債の発行を完了
 
 2021年4月期は、2020年11月24日に返済期限の到来した長期借入金3,700百万円の返済に充当するために、長期借入金2,700百万円(借入期間6年)の借入及び以下の第2回無担保投資法人債1,000百万円の発行を行いました。なお、当該借入については、金利上昇リスクをヘッジするため、金利スワップ契約を締結し、実質的に金利を固定化しています。

名称:スターツプロシード投資法人第2回無担保投資法人債(特定投資法人債間限定同順位特約付)
発行価格:1,000百万円
利率:年0.540%
発行日:2020年11月19日
償還期限:2025年11月19日
担保及び保証:無担保・無保証

 この結果、2021年4月期末における1年内返済予定の長期借入金は8,640百万円、長期借入金は35,006百万円、投資法人債は2,000百万円、期末有利子負債残高は45,646百万円、LTVは50.6%となりました。コロナ禍でも第2回目となる無担保投資法人債を発行し引き受けを得られているのは安定性の高いレジデンスが主力であるとい点と、MLとして賃貸しているスポンサーとの賃料保証によるところも大きいと思います。(そうでなくても信用金庫、信用組合は群がってきそうですが)

 スターツプロシード投資法人は資産取得時の円滑な資金調達及びリファイナンスリスクの軽減を見据え、取引金融機関との良好な関係を継続していくとともに、必要に応じて取引金融機関の拡充、調達コストの低減、借入期間の長期化、返済期限の分散化及び金利の固定化を進めながら、投資法人債の発行も含め財務基盤の一層の強化と資金調達の多様化を目指しています。