2021年6月17日にNTT都市開発リート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,890円のところ4,024円で着地しました。

組織の効率化で運用スタイルは変わるのか

 プレミア投資法人の資産運用会社であったプレミア・リート・アドバイザーズ㈱は、エヌ・ティ・ティ都市開発㈱の完全子会社であり、私募REITであるNTT都市開発・プライベート投資法人の資産運用会社であるNTT都市開発投資顧問㈱との間で、プレミア・リート・アドバイザーズ㈱及びNTT都市開発投資顧問化株に分散しているエヌ・ティ・ティ都市開発グループの不動産アセットマネジメント事業に係る経営資源を集中し、運用基盤の効率化、安定化及び競争力の向上を通じ、各受託投資法人の投資主価値の最大化を図ることを目的として、NTT都市開発投資顧問株式会社を吸収合併存続会社、プレミア・リート・アドバイザーズ㈱を吸収合併消滅会社とする合併を2021年4月1日付けで行いました。それに合わせ2021年4月1日付でNTT都市開発リート投資法人という名称に変更となりました。
 2021年4月期は2020年12月21日に品川シーズンテラスの準共有持分49.0%(オフィスビル、取得価格12,200百万円)を取得し、さらに2021年3月30日に同ビルの準共有持分26.0%(取得価格6,520百万円)を追加取得しました。一方、2015年1月に取得したアーバンネット麹町ビル(オフィスビル、取得価格3,600百万円)を売却し、1,921百万円の不動産等売却益を実現しています。この結果、2021年4月末時点で、投資法人が保有する資産は、オフィスビル25物件、レジデンス33物件、優先出資証券1銘柄の計59物件であり、取得価格の総額は261,864百万円、用途別の投資比率はオフィスビル61.9%、レジデンス30.5%、その他(優先出資証券)7.6%となっています。
 また、優先出資証券を除いた58物件の稼働率は、2021年4月期末時点でオフィスビルが前期末比4.8ポイント低下の93.4%、レジデンスが前期末比0.1ポイント低下の94.4%で、全体では3.0ポイント低下の93.8%となっています。(2021年3月31日に2021年5月7日付けでの譲渡を決定したビュロー紀尾井町を除くレジデンス稼働率は96.1%、全体稼働率は94.3%。)上記のような運用の結果、当期の実績として営業収益11,468百万円、営業利益5,710百万円、経常利益5,300百万円、当期純利益5,299百万円を計上しました。


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20210627NTT都市開発リート投資法人LTV・DSCR推移

 2021年4月期の資金調達状況は、2020年12月21日付で取得した品川シーズンテラスに係る不動産信託受益権の取得資金の一部に充当するため、長期借入金として総額9,000百万円を借り入れました。(借入先の内訳は三井住友信託銀行㈱4,000百万円、㈱みずほ銀行3,000百万円、NTTファイナンス㈱2,000百万円)続いて2021年1月29日に、2016年2月19日に借り入れた長期借入金計2,000百万円の返済のため三井住友信託㈱より、短期借入金2,000百万円の借入れを行いました。また、2021年3月30日付で取得した品川シーズンテラス(追加取得)に係る不動産信託受益権の取得資金の一部に充当するため、短期借入金及び長期借入金として総額4,700百万円を借り入れました。(借入先はNTTファイナンス㈱2,500百万円)
 2021年4月27日に第9回無担保投資法人債(発行総額2,000百万円、償還期限2024年4月26日、年0.06%、3年債)、第10回無担保投資法人債(発行総額3,200百万円、償還期限2031年4月25日、年0.06%、10年債)を発行し・2020年6月12日に借り入れた短期借入金2,200百万円、2020年6月12日に借り入れた短期借入金1,000百万円、2021年1月29日に借り入れた短期借入金2,000百万円の期日前弁済を行いました。
 この結果、2021年4月期末の有利子負債総額は126,500百万円(内訳は短期借入金3,200百万円、長期借入金112,100百万円(1年内返済予定の長期借入金を含む。)及び投資法人債11,200百万円)となり、有利子負債総額中の長期有利子負債比率は97.5%となりました。
2021年4月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱日本格付研究所(JCR)、発行体格付:AA-、格付の見通し:安定的