一般社団法人日本ショッピングセンター協会から2021年5月時点のSC販売統計調査報告が公開されておりますのでご紹介致します。

URL SC販売統計調査報告2021年5月
20210702SC販売統計調査報告2021年5月

 2021年5月の既存SC売上高の前年同月比伸長率は、前年が緊急事態宣言下で全国的に自主休業を行ったSCが多かった反動もあり、総合で前年同月比+70.1%と大幅なプラスとなりました。4月25日の緊急事態宣言発出以降、大きな人流を止めるという政府方針に従い、休業要請対象外にまで休業範囲を広げ、食品、医薬品等の一部テナントの営業に限定していたSCも、5月12日から宣言が延長されたことを踏まえ、各自治体が休業要請対象外としたテナントの営業を順次再開しました。しかし、当初4都府県(東京都、大阪府、京都府、兵庫県)が対象とされた緊急事態宣言は、5月12日以降、6道県が追加され、計10都道府県に拡大したこともあり、コロナ禍前の前々年同月比では▲33.2%と前月(▲24.8%)から10ポイント近く悪化しました。

 立地別の売上高伸長率は、中心地域・総合が前年同月比+119.9%(前々年比▲45.2%)、周辺地域・総合が同+57.5%(同▲27.8%)となりました。中心地域全体では3桁の伸びとなるも、前々年比では▲45.2%(総合)と半減に近い落ち込みであり、広域移動を伴う利用者が主な来館者である中心地域の厳しい状況が継続しています。

 構成別の売上高伸長率は、テナントが前年比で+100.5%となるも、前々年比では▲36.8%と苦戦しています。これは、テナントの中に、緊急事態宣言下で「生活必需対象外」とされ、休業を余儀なくされたサービス業種(シネマやエステサロン等)が含まれていることなどが要因とみられます。

 立地別・地域別の売上高伸長率は、北海道が前年5月に▲90%前後まで落ち込んだ反動で、当月は総合が+253.4%、中心地域が+589.9%と大幅に前年を上回りました。しかし、北海道は16日の緊急事態宣言発出に伴う土日祝日の休業要請を受けた臨時休業が響き、前々年比では総合で▲50.2%と近畿に次ぐ落ち込みとなりました。近畿は、総合で前年同月比▲10.6%で、大幅なマイナスとなった前年5月をも下回る厳しい結果となっています。この要因は、大阪府や兵庫県、京都府において、緊急事態宣言の期間が前年より長かったことや、休業要請対象から外れる生活必需品の対象が食料品・医薬品等と他自治体よりも厳しく限定されたことが要因と考えられます。

20210702既存SC売上高伸長率2021年5月

 都市規模別・地域別の売上高伸長率は、総合で大都市が前年同月比+80.2%(前々年比▲42.5%)、その他の地域が同+64.7%(同▲26.3%)となりました。前々年比では大都市で40%超、その他の地域で20%超の落ち込みと全国的に厳しい状況でした。特に、休業要請の内容が厳しかった大阪市は総合で前々年比▲83.0%、神戸市も同▲57.2%と前月よりも大幅に悪化しています。一方、前々年比では千葉市が総合で▲21.6%、横浜市が▲15.0%、川崎市が▲15.4%と他の都市よりも下げ幅は小さかった。これは、東京区部のSCが休業となったため、都内からの来館者が増加したことも影響したとみられます。
 業種別では、飲食店舗は時短営業に加え酒類の提供が禁止された影響が非常に大きく苦戦が続いていいます。一方、同じ飲食店舗でもテイクアウト需要の高まりでファストフードは好調との声があるようです。また、「母の日」関連で洋菓子等の食物販やギフトが堅調という意見もあり、これは外出自粛に伴い家族で過ごす時間が増えたことも後押しになったとみられています。