2021年7月2日に㈱日本格付研究所がスターアジア不動産投資法人の長期発行体格付を引き上げると発表しました。

 長期発行体格付:A-(安定的)→A(安定的)
  
 2020年8月1日の旧さくら総合リート投資法人との合併以降、引き継いだ物件を含めたポートフォリオ・マネジメントはコロナ禍においても概ね堅調に推移しています。2021年1月期で 4.9%のポートフォリオNOI利回り、2021年4月末で97.0%の稼働率、一部ではあるがオフィスにおける賃料増額改定などの実績が示されています。またスポンサーグループによるサポートを活用し、ポートフォリオの強化を企図した資産入れ替えが2021年1月期中に2回実施されました。こうしたトラックレコードを踏まえると、コロナ禍によるテナント動向等が特にオフィス賃貸市況に与える影響や、依然として厳しい状況にあるホテルを取り巻く運営環境には引き続き留意を要するが、取得価格ベースで合併前比約60%拡大したポートフォリオについて、物件やテナント分散の進展に伴い運営の柔軟性が向上し、キャッシュフローの安定性は強化されているものとJCRでは考えているようです。デットの調達内容(長期化や返済期限の分散化)には改善の余地が残る一方、レバレッジコントロールなどの状況からみて健全な財務運営が継続されている。以上より格付を 1 ノッチ引き上げ、見通しは安定的としたということです。

 現行ポートフォリオは、東京圏(オフィス・商業施設については東京23区、川崎市及び
横浜市、住宅・物流施設・ホテル・学生専用レジデンスについては東京都、神奈川県、埼玉県及び千葉県)に所在するミドルサイズアセット(取得価格が100億円未満の不動産等)を中心とした全53物件から成り、取得価格総額1,667億円の資産規模。アセットタイプ別の構成比(取得価格ベース)はオフィス:40.8%、住宅:19.5%、物流施設:18.2%、ホテル:12.3%、商業施設:9.2%となっている。
 ホテルを一部運用してはいますが、ポートフォリオ全体から見ればダメージはそれほど無いという判断だと思います。合併により取得したオフィスビル、レジデンスにより安定性が増したという点の方が重要です。
 
 改善の余地が残るとされた財務の状況ですが、資産総額ベースの簿価LTVは、2020年7月期末(合併前)の48.1%から2021年1月期末では45.9%へ低下しており、AMが想定するレンジ(45~50%程度)でコントロールされている。財務バッファーとなるポートフォリオの含み益は、2021年1月期末で87億円(含み益率:5.2%)を有しています。現状88億円程度の合併時における負ののれん発生益を振り替えた剰余金は、配当政策を含め資産運用の自由度を確保するサポートの一つになりえよう。資金調達面では、三井住友銀行及びみずほ銀行を中心としたレンダーフォーメーションが維持されている一方、財務の柔軟性・安定性の更なる向上にむけては、一段の平均残存年数(2021年1月期末で2.2年)の長期化や返済期限の分散化等が引き続きポイントになると述べています。