2021年7月15日にエネクス・インフラ投資法人の決算が発表されました。分配金は当初の予想一口当たり分配金が6,000円のまま変更無しとしています。

発電所の管理面が心配
20210724エネクス・インフラ投資法人NOI・ROA利回り推移

 2021年11月中間のエネクス・インフラ投資法人は資産規模の拡大及び純利益の底上げを図るべく、2020年12月2日付で三重県松阪市に所在する松阪太陽光発電所(パネル出力98.0MW、取得価格40,241百万円)、2021年4月26日付で愛知県新城市に所在する新城太陽光発電所(パネル出力1.5MW、取得価格465百万円)を取得しました。その結果、2021年11月中間期末時点の取得済資産は、8物件(合計パネル出力139.8MW、価格合計57,239百万円)となりました。
 また、2020年12月25日に㈱マーキュリアインベストメントとが運営する太陽光発電所ウェアハウジングファンドと、パイプライン契約を締結しました。こちらは総額100億円でを予定されており、こちらのファンドで複数の発電所を開発しエネクス・インフラ投資法人がその発電所を取得することを計画していると考えられます。これが上手く回れば継続的な発電所取得が可能となるため外部成長、ポートフォリオ構築が強化されることが期待されています。
 運用面については2021年6月29日に松阪太陽光発電所(三重県松阪市所在、パネル出力:98,003.40kW)において、パワコン1台から火災が発生しました。人的被害も無く大事に至らず鎮火しましたが、この影響で火元のパワコン1台の他、安全面を考慮し同パワコンと配線系統を同じくする2台のパワコンの運転を停止しており、全35台中3台が稼働停止となっています。このような結果、2021年11月中間期の実績として営業収益2,322百万円、営業利益677百万円、経常利益431百万円、中間純利益430百万円となりました。


コミットメントラインの設定が完了

 エネクス・インフラ投資法人の財務戦略は中長期的な収益の維持・向上及び着実な成長を目的とし、安定的かつ健全な財務基盤を構築することを基本方針とし、公募増資及び借入金等による資金調達を実施しています。借入金等は、主要金融機関を中心としたバンクフォーメーションを構築し、長期・短期の借入期間及び固定・変動の金利形態等のバランス、返済期限の分散を図りながら、効率的な資金調達を実行しています。
 2021年11月中間期においては、2020年12月2日付で、松阪太陽光発電所の購入資金の一部として、三井住友信託銀行㈱、㈱新生銀行、㈱三井住友銀行及び㈱みずほ銀行をアレンジャーとする協調融資団より27,900百万円(タームローンE:借入額12,250百万円、最終返済期限2030年11月、タームローンF:借入額12,250百万円、最終返済期限2030年11月、消費税ローン:借入額3,400百万円、最終返済期限2022年3月)を調達しました。また、当中間期中において、約定返済335百万円を行った結果、2021年5月末日の借入金残高は37,971百万円となり、LTVは55.5%となりました。2021年11月中間期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱日本格付研究所(JCR)、発行体格付:A、格付の見通し:安定的