2021年7月15日に日本プロロジスリート投資法人の決算が発表されました。分配金は当初の予想一口当たり分配金が4,777円のところ4,847円で着地しました。
尚、利益超過分配金が737円含まれています。

火災した岩沼物件の再開発が開始
20210720日本プロロジスリート投資法人NOI推移

 2021年5月期においては、投資主価値の更なる向上を企図してプロロジス・グループが開発した高品質のAクラス物流施設であるプロロジスパーク千葉ニュータウン、プロロジスパーク千葉2、プロロジスパークつくば2(取得価格合計62,200百万円)を、平均NOI利回り4.5%という適正な水準で取得しました。この継続的な外部成長により、投資法人のポートフォリオの分散と安定性が向上するということです。さらに、岩沼物件における建物の再開発工事を開始しました。この再開発は、2022年4月を竣工予定として順調に進捗しているということです。

 2020年12月11日には5物件のスポンサー開発の物流施設の優先交渉権を取得しており、更なる資産規模拡大の準備は着々と進んでいます。分配金への更なる期待が高まっている状況です。運用面では保有する物件の高い競争力とスポンサーであるプロロジス・グループによるリーシングサポートにより、2021年5月期末時点の稼働率は99.0%と高い水準を維持しています。2021年5月期の実績は、営業収益24,554百万円、営業利益11,539百万円、経常利益10,576百万円となりました。また、岩沼物件に付保している利益保険に基づき受領した受取保険金167百万円を特別利益として計上しています。一方で、岩沼物件における滅失建物等の解体撤去工事等費用131百万円を特別損失として計上しました。これらの結果、当期純利益は10,611百万円となりました。
 このブログでも取り上げたことがありますが、岩沼物件の再開発工事は2020年4月30日に発生した火災によって焼失したプロロジスパーク岩沼1のことです。


LTVは37.8%と低く良好

 エクイティ面での動きは2021年2月8日に取得した第17期取得資産の取得資金の一部に充当することを目的として、2021年2月2日に公募増資による新投資口の追加発行(110,480口)を実施し、また、同年2月24日にオーバーアロットメントによる売出しに係る第三者割当による新投資口の追加発行(5,520口)を実施しました。これにより、新規に37,383百万円のエクイティ資金を調達し、2021年5月期末時点での出資総額は429,742百万円、発行済投資口の総口数は2,581,850口となっています。

 デッド面については上記の取得資産の取得資金の一部へ充当するため、2021年2月8日付で短期借入金10,000百万円及び長期借入金12,300百万円の借入れを行いました。さらに、2021年5月31日付で第10回無担保投資法人債及び第11回無担保投資法人債総額12,000百万円をグリーンボンドとして発行し、その発行代わり金を以て当該短期借入金を全額期限前弁済しました。(なお、投資法人債発行代わり金の残額2,000百万円については、翌期の2021年6月15日に償還期限が到来した第3回無担保投資法人債2,000百万円の償還資金に充当しました。)また、当期に返済期限を迎えた長期借入金総額21,300百万円の返済資金へ充当するため、2021年2月15日付で長期借入金7,300百万円及び2021年4月28日付で長期借入金総額14,000百万円の借入れを行いました。

 この結果、投資法人の当期末時点の有利子負債総額は284,500百万円(借入金残高246,500百万円、投資法人債残高38,000百万円)となり、投資法人の有利子負債総額(借入金額、投資法人債発行額、短期投資法人債発行額の総額)がLTVは37.8%となりました。2021年5月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱格付投資情報センター(R&I)、発行体格付:AA、格付の見通し:安定的
・㈱日本格付研究所(JCR)、長期発行体格付:AA、格付の見通し:安定的