2021年7月19日に大和証券オフィス投資法人の決算が発表されました。分配金は当初の予想一口当たり分配金が13,900円のところ14,000円で着地しました。

オフィスの開発プロジェクトが進行中
20210726大和証券オフィス投資法人賃貸事業利益推移

 2021年5月期は、巡航EPS(物件売却益を控除したEPS(1口当たり当期純利益)を中長期にわたり成長させるため、物件の取得により収益の向上を目指す「外部成長」並びに既存物件の利益の最大化を目指す「内部成長」に引き続き取組みました。
 外部成長においては、2020年11月に開発用地を取得した、大和証券オフィス投資法人初の開発プロジェクト「日本橋馬喰町一丁目開発プロジェクト」を着実に進めています。また、2020年12月に、「Daiwa京橋ビル」(譲渡価格4,200百万円)の譲渡を実施しました。

日本橋馬喰町一丁目開発プロジェクトの概要

 ①想定取得価格:5,736百万円
 ②構造:鉄骨造陸屋根10階建 
 ③建築時期:2022年11月(予定) 
 ④建築面積:485.20㎡ 
 ⑤延床面積:4,894.14㎡ 
 ⑥総賃貸可能面積:3,677.63㎡ 
 ⑦用途:事務所 
 ⑧不動産賃貸事業収益:305百万円 
 ⑨NOI:239百万円 
 ⑩NOI利回り:4.2% 
 
 これにより、2021年5月期末の投資法人の運用資産は、物件総数59物件、取得価格合計461,418百万円となりました。

 内部成長においては従来と同様に既存テナントとのリレーション強化による内部増床ニーズの取込み、賃貸仲介会社並びにプロパティ・マネジメント会社との連携強化等、積極的なリーシングを実施しました。これにより、2021年5月期末の稼働率は97.5%となりました。これらの運用の結果、投資法人の2021年5月期の実績は、営業収益15,054百万円、営業利益8,137百万円、経常利益7,550百万円、当期純利益は7,549百万円となりました。


スポンサーの連結子会社となっても運用スタイルは維持
 
 2021年5月期において、借入金の返済資金に充当するため、以下の借入れを行いました。
2021年2月26日に返済期限が到来した三井住友信託銀行㈱及び㈱東日本銀行からの借入金総額2,000百万円の返済資金として、同日に三井住友信託銀行㈱及び㈱もみじ銀行より同額の借入れを行いました。2021年3月31日に、㈱三井住友銀行、㈱みずほ銀行、㈱りそな銀行及び㈱三菱UFJ銀行から総額13,800百万円の借入れを行い、同日に返済期限が到来した㈱三井住友銀行、㈱みずほ銀行及び㈱りそな銀行からの借入金総額12,300百万円の返済資金に充当しました。
 2021年8月31日に返済期限が到来する㈱三菱UFJ銀行からの短期借入金1,500百万円の期限前弁済に充当しました。2021年5月31日に返済期限が到来した㈱三井住友銀行、㈱新生銀行及び㈱七十七銀行からの借入金総額3,400百万円の返済資金として、同日に同行より同額の借入れを行いました。なお、2021年5月中において、9,400百万円の変動金利借入金に対し、将来の金利上昇リスクをヘッジするために支払金利を固定化する金利スワップ契約を締結しました。上記の結果、2021年5月期の有利子負債残高は総額203,350百万円(短期借入金2,400百万円、長期借入金191,950百万円及び投資法人債9,000百万円)となりました。長期借入金のうち1年以内に返済期限が到来するものが21,500百万円あります。2021年5月期末における有利子負債の平均残存期間は4.2年となりました。2021年5月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱格付投資情報センター(R&I)、発行体格付:AA-、格付の見通し:安定的
・㈱日本格付研究所(JCR)、長期発行体格付:AA、格付の見通し:安定的


 大和証券オフィス投資法人は自己投資口取得により、2021年5月14日付で大和証券グループの大和証券オフィス投資法人の投資口の投資口所有割合が40%を超えたことで会計基準上の実質支配力基準により大和証券グループの連結子会社となりました。投資口所有割合及び議決権比率が50%を超過しないことから導管性要件は維持されることから大和証券グループの連結子会社となったことにより運用スタイルが変わることは無いとしています。