2021年8月2日に日本リート投資法人が保有するピジョンビルにおける消費電力の全てについて、2021年8月より「再生可能エネルギー」由来電力に切り替えることにすると発表しました。

 日本リート投資法人が運用するピジョンビルにおける消費電力の全てについて、2021年8月より、ENEOS㈱が供給する、「CO2フリー電力メニュー(室蘭バイオマス発電所100%再生可能エネルギー) 」を使用することとなりました。これにより、ピジョンビルでは、使用電力由来のCO2排出量が実質ゼロとなります。

ENEOS㈱のCO2フリー電力メニュー

 J-クレジット、非化石証書などをENEOS㈱が調達し、電気の使用に伴うCO2排出量が「0トン-CO2/kWh 」に調整した電気となります。
 発電所は室蘭バイオマス発電所(FIT電気+トラッキング付FIT非化石証書)になります。

 説明不足すぎて意味がよくわからない方もいらっしゃると思います。簡単に説明すると、CO2フリー電力メニューは、ENEOS㈱が非化石証書やJ-クレジット等を取引することによってCO2排出係数が0.000kg-CO2/kWhということにして電気を発電したという体(てい)にして電気を供給するということです。ピジョンビルが使用した電気はCO2排出係数0.000kg-CO2/kWhの電気ということで環境に貢献できるという訳です。


J-クレジットとは

 J-クレジットとは、省エネルギー機器の導入や森林経営などの取組による、CO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証します。農業者や森林所有者、地方自治体、一般企業等がこの「クレジット」をJ-クレジット・プロバイダーを通じて売却します。これを購入側の企業が自身の使用した電気のCO2排出分を購入することで、実際使用した電気分のCO2がゼロになるという制度です。


FIT非化石証書とは

 電力取引市場から電気を購入しても、発電方式を選ぶことができないため再生可能エネルギー由来の電気のみを指定して購入することができません。「非化石証書(再エネ)」を購入(調達)して電気と組み合わせて供給することにより、どのような発電方式の電気であったとしても実質的に再生可能エネルギーの電気を供給しているとみなすことができるという制度です。固定価格買取制度(FIT)対象の再生可能エネルギー電源の電気に対する環境価値を証書化したもの。


トラッキング付FIT非化石証書とは

 小売電気事業者が購入した非化石証書の由来となった発電所を明らかにするというものです。非化石証書ではどこの発電所のものか不明です。ですが、トラッキング付非化石証書はこれがどこの発電所の非化石証書かが分かるという制度です。
 今回の場合は、ENEOS㈱が購入した電気は室蘭バイオマス発電所で発電した電気ということになります。さらにピジョンビルはこのENEOS㈱から電気の供給を受けることになります。結果、「日本リート投資法人のピジョンビルで使用している電気は室蘭バイオマス発電所で発電された電気であるためCO2排出量ゼロです」と言えるという訳です。


 2021年7月30日に東急リアル・エステート投資法人が運用資産23物件において、再生可能エネルギー100%電力を導入することを発表しています。こちらはスポンサー関連企業として
小売電気事業者である㈱東急パワーサプライがいるため、主にこちらから電気を購入していくようです。

 この取組みでは、東急リアル・エステート投資法人の保有資産全34物件のうち、①底地物件(3物件)、②入居テナントまたは管理組合が電気事業者と電気需給契約を直接締結している物件(4物件)、③直近で電気需給契約の見直しを実施した物件(4物件)を除く23物件で再生可能エネルギー100%電力を導入するものです。
 CO2排出量の削減効果は約1万6千トン(t-CO2換算)で、投資法人における電気由来の温室効果ガス排出量の約9割削減、全温室効果ガス排出量の約7割削減を見込んでいるということです。
 なお、上記③に該当する物件については、現契約満了後に再生可能エネルギー100%電力への切り替えを予定しています。運用資産では、従前から、東急南平台町ビル及び渋谷道玄坂スカイビルでの再生可能エネルギー由来の非化石証書活用によるCO2フリー電力の使用に加え、東急桜丘町ビルでのJクレジット制度の利用により、CO2排出量の削減を実施してきました。
 東急リアル・エステート投資法人の運用資産25物件の合計延床面積198,141.57㎡において再生可能エネルギー100%電力を使用することになります。これは投資法人の底地物件を除いた運用資産全31物件の合計延床面積の87.9%にあたるということです。

 東急リアル・エステート投資法人の場合はFIT非化石証書をメインに再生可能エネルギー100%電力を実現していくようです。日本リート投資法人のピジョンビルはトラッキング付FIT非化石証書を利用しているため室蘭バイオマス発電所で発電した電力で再生可能エネルギー100%を実現していくということですね。どちらが優れているということもないですが、分配金の上昇につながることは無いと思うので、投資家さんにとって特別メリットがあるということは無いと思います。