2021年8月13日にタカラレーベン不動産投資法人がオフィスビル2棟、レジデンス8棟、商業施設1棟、底地1件を取得を取得すると発表しました。

20210821タカラレーベン不動産投資法人資産規模1000億円
【出典:タカラレーベン不動産投資法人プレスリリースより】

取得の理由 

 タカラレーベン不動産投資法人は、、中長期的に安定した収益の確保と着実な運用資産の成長を目指すことを運用の基本方針としており、また、中期運用戦略として、「着実な資産規模の拡大」、「ポートフォリオの質及び安定性の向上」、「堅実な内部成長の実現」及び「財務戦略・その他施策の実施」という4つの運用戦略を掲げています。
 今回の取得は、資産規模の拡大を図るとともに、スポンサーである株式会社タカラレーベンが開発した築浅物件を中心に組み入れることによりポートフォリオの平均築年数の低下(若返り)及び更なるポートフォリオの質の向上を図るものです。

取得資産

 ①川越ウエストビル(所在地:埼玉県川越市、取得価格:2,600百万円、仲手:無)
 ②博多冷泉町ビル(所在地:福岡県福岡市、取得価格:2,700百万円、仲手:有)
 ③ラグゼナ戸田公園(所在地:埼玉県戸田市、取得価格:910百万円、仲手:無)
 ④ラグゼナ戸田公園Ⅱ(所在地:埼玉県戸田市、取得価格:1,200百万円、仲手:無)
 ⑤ラグゼナ秋葉原(所在地:東京都台東区、取得価格:2,300百万円、仲手:無)
 ⑥フィオレ・レジデンス出島海岸通(所在地:大阪府堺市、取得価格:560百万円、仲手:無)
 ⑦ラグゼナ武蔵新城(所在地:神奈川県川崎市、取得価格:1,900百万円、仲手:無)
 ⑧ラグゼナ流山おおたかの森(所在地:千葉県流山市、取得価格:2,840百万円、仲手:無)
 ⑨PRIME SQUARE(所在地:千葉県船橋市、取得価格:620百万円、仲手:無)
 ⑩ウインベルコーラス聖蹟桜ヶ丘(所在地:東京都多摩市、取得価格:730百万円、仲手:無)
 ⑪アピタ名古屋南店(所在地:愛知県名古屋市、取得価格:7,800百万円、仲手:無)
 ⑫ビッグモーター鴻巣店(底地)(所在地:埼玉県鴻巣市、取得価格:2,150百万円、仲手:無)
 取得価格合計:26,310百万円

 売買契約締結日:2021年8月13日
 取得予定日:2021年9月2日
 取得先:㈱タカラレーベン(③④⑤⑥⑦)、合同会社アイランドシップ3号(⑧⑨⑩)、国内の事業会社(①②⑪)、日本商業開発㈱(⑫)
 取得資金:新投資口の発行による手取金、借入金及び自己資金
 決済方法:引渡時に全額支払

新投資口発行による発行済投資口の総口数の推移

 ①発行済投資口の総口数:462,500口
 ②公募による新投資口発行に伴う増加投資口数:112,500口
 ③公募による新投資口発行後の発行済投資口の総口数:575,000口
 ④第三者割当に伴う増加投資口数:5,400口
 ⑤第三者割当後の発行済投資口の総口数:580,400口
 ⑥調達予定資金:13,070,000,000円(上限)

 タカラレーベン不動産投資法人はスポンサーからの物件取得のために売買仲介手数料を支払わない方針のようです。この点は非常に高く評価できると思います。スポンサーがもともと受け取る気が無いのか、それとも資産運用会社が捨て身の交渉をして無くしたのかは分かりませんがこれは素晴らしいと思います。スポンサーが取得した物件をスポンサーに利益が落ちるような価格で取得するのに、更に関連会社に仲介手数料を落とす理由は意味わかりませんからね。

2022年2月期の業績予想

 営業収益:2,270百万円→3,330百万円
 営業利益:1,440百万円→1,968百万円
 経常利益:1216百万円→1,675百万円
 当期純利益:1,1215百万円→1,674百万円
 1口当たり分配金(利益超過分配金を含む):2,900円→3,000円
 1口当たり分配金(利益超過分配金を含まない):2,896円→2,997円
 1口当たり利益超過分配金:4円→3円

2022年8月期の業績予想

 営業収益:3,361百万円
 営業利益:1,862百万円
 経常利益:1,564百万円
 当期純利益:1,563百万円
 1口当たり分配金(利益超過分配金を含む):2,800円
 1口当たり分配金(利益超過分配金を含まない):2,797円
 1口当たり利益超過分配金:3円


 この取得により資産規模1,131億円と想定され、1,000億円の大台を超えます。昨年2020年8月から鑑定評価額ベースのNOI利回りは変わらないものの、ポートフォリオの平均築年数は2.2年短縮され、19.7年となります。反対に平均稼働率が0.4%減少して97.7%となってしまいますが、これはオフィスビル・レジデンス・商業施設等と多様なアセットを保有しているためある意味退去タイミングによるものも含まれているのでリカバリー可能な範囲でしょう。取得物件の8棟はレジデンスということもあり、決して無理な成長では無いと思います。