2021年6月期決算のJ-REITの収益性について分析しました。

・NOI利回り
20210902J-REIT(6.12月決算)NOI利回り
20210902J-REIT(6.12月決算)NOI利回り2

 NOI利回りのNOIは賃貸事業収入から賃貸事業費用を差し引き、減価償却費をプラスすることで算出しています。インヴィンシブル投資法人はとうとうNOI利回りがマイナスになってしまいました。マイナスということは、NOI自体がマイナスになっているために起こる現象です。それもそのはず、スポンサー様がフォートレスからソフトバンクになってもフォートレス様を生かすために賃料を下げたままなので当然と言えば当然のことですね。ソフトバンクも自分のことで手いっぱいですから投資法人のサポートには回る暇は無いという状況でしょう。他の投資法人がエンドテナンベースの稼働率によって投資法人の収益が変動しないようにスポンサーやスポンサーの関連企業をマスターレッシー(投資法人→転貸→エンドテナント)にして一括貸しをすることで賃料の安定化を図っています。これに対しインヴィンシブルが行っていることは一括貸している賃料自体を下げてしまっています。そもそも一括貸ししているマスターレッシー(ML)を別の企業に変更することがセオリーですが、MLがスポンサーやスポンサー関連企業である場合はこれができません。一応、ホテルの収益が改善した場合に多額の変動賃料を受け取れるということを言い訳にしてこのままML延命策を続けていくつもりだと考えられます。
 他の投資法人についてはNOI利回りは総じて安定的と言えます。日本ビルファンド投資法人は4.55%、日本プライムリアルティ投資法人は5.16%と物件の入替えによりNOIが向上しているため前期から上昇しています。フロンティア不動産投資法人は2物件の取得と修繕費の削減により賃貸事業費用が減少したことで結果的にNOIが上昇することでこちらも5.05%と前期から上昇しています。


・当期純利益率
20210902J-REIT(6.12月決算)当期純利益率
20210902J-REIT(6.12月決算)当期純利益率2

 6月・12月決算投資法人の当期純利益率で見ると、やはりインヴィンシブル投資法人の凄まじい当期純利益率、いや当期純損失率によりグラフが引っ張られて他の投資法人の当期純利益率の推移は見づらくなっています。が、ここはご了承頂きたい。
 物件を取得した日本ビルファンド投資法人をはじめ、6月・12月決算投資法人の賃貸事業収入は前期とほぼ横ばいです。オフィスビルが主力の日本プライムリアルティ投資法人、ジャパンエクセレント投資法人が減少傾向にあり、単純に稼働率の減少によることが原因と考えられます。三鬼商事のオフィスレポートでも東京都内のオフィスビルは空室率が上昇傾向にあることから少なからずオフィス系J-REITは影響が出ているようです。しかし、分配金に大きな影響を与えるレベルでは無いと思います。各投資法人が実施した物件売却は以下の通りですが、売却損が発生しているのは日本ビルファンド投資法人のNBF南青山ビルのみなのでまだまだ不動産マーケットの取引価格は依然として高いと言うことができます。
 
日本ビルファンド投資法人
 NBF新川ビル(東館及びメゾンニューリバー共有持分50%):+1,524百万円
 NBF南青山ビル:▲38百万円

日本リート投資法人
 東池袋センタービル:+528百万円
 FORECAST内神田:+56百万円
 丸の内三丁目ビル:+326百万円

 6月・12月決算投資法人の中で唯一の物流系J-REITのCREロジスティクスファンド投資法人は2021年6月期は3棟を取得にそれに伴い賃貸事業収入も3,160百万円となっており、賃貸事業利益率も67.2%高く6月・12月決算投資法人の中かでは推し銘柄であること変わりません。