2021年9月2日にしんきんアセットマネジメントよりJ-REITマーケットレポートが開示されましたのでご紹介致します。


 2021年8月は、売りに押される局面があったものの、値を戻す動きになりました。新型コロナウイルスの変異株の感染拡大が重しになり、東証REIT指数は3日まで4営業日続落しました。しかし、長期金利が一時ゼロ%まで低下する中、Jリートの相対的な利回りの高さに着目した買いが入り、5日には東証REIT指数は約1か月ぶりの高値を付けました。新型コロナの感染拡大や、緊急事態宣言の再延長や対象地域拡大が重しになる中、底い動きが続きましたが、利益確定売りに加え、公募増資による需給悪化を警戒した売りが広がり、25日まで5営業日続落し、東証REIT指数は2,100ポイントを割り込みました。ただ、その後は値ごろ感からの買いも入り、持ち直す動きになりました。
 今後は、引き続き高値圏での一進一退の動きを予想します。7月時点の東京都心のオフィス空室率が小幅な上昇にとどまったことに加え、長期金利が低位で推移していること、またJ-REITの分配金が安定していることは安心材料です。新型コロナのワクチン接種進展を受けた景気回復への根強い期待や、J-REITの分配金利回りに着目した買いも市場を下支えするとみられます。他方、9月下旬には米連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されており、テーパリング(米国債などを買い入れる量的緩和の縮小)開始への警戒が強まると、内外の金融市場が不安定になる可能性があります。底堅い推移が見込まれますが、コロナの動向や米金融政策に振らされることには注意が必要です。

20210907しんきんアセットJ-REITレポート2021年8月

8月の主要指標

 東証REIT指数
  2,142.91円前月比(▲0.8%)

 東証REIT指数(用途別)  
  オフィス   2,013.01(前月比▲2.2%)
  住宅     3,424.17(前月比+0.1%)
  商業・物流等 2,705.44(前月比+0.4%)