2021年9月8日に産業ファンド投資法人がIIF四日市ロジスティクスセンターの取得すると発表しました。

取得資産の概要
20210916IIF四日市ロジスティクスセンター既存棟
【出典:産業ファンド投資法人プレスリリースより】

  ①取得資産:IIF四日市ロジスティクスセンター
  ②取得価格:3,640百万円 
  ③鑑定評価額:3,957百万円(2021年7月時点)
  ④売買契約締結日:2021年9月8日
  ⑤引渡日:2021年12月13日
  ⑥取得先:国内事業会社
  ⑦取得資金:自己資金
  ⑧支払方法:引渡時全額支払
  ⑨立地:東名阪自動車道「四日市東」IC から約1.5kmの至近に位置し、24時間稼働が可能な汎用性の高い産業集積地に立地しています。東名阪自動車道から新名神高速道路、伊勢湾岸自動車道への接続が可能なことから、名古屋市中心部をはじめ京都中心部・大阪中心部等の広域へのアクセスが可能となっています。
 建物自体は1.5t/㎡の床荷重、5.3~5.4m の有効天井高、約11m×約11mの柱スパンを兼ね備え、様々な荷主への対応が可能。更に、3分割貸にも対応可能な汎用性の高い物流施設となっています。


取得理由
20210916IIF四日市ロジスティクスセンター新築棟
【出典:産業ファンド投資法人プレスリリースより】

 今回取得するIIF四日市ロジスティクスセンターは、優良立地に位置する希少性の高い物件です。大手物流企業へのCRE提案により、「既存棟」にかかる不動産信託受益権を取得することを決定しましたが加えて、敷地内に新たに「新築棟」を建設する開発プロジェクトの実施を計画しており、事業拡大ニーズを捉えたBTS型物流施設の開発案件です。

 IIF四日市ロジスティクスセンター周辺には、大手半導体のメーカーであるキオクシア㈱の世界最大級の半導体製造拠点「キオクシア四日市工場」が所在し、更に、世界的な半導体需要の拡大に伴う生産能力向上を目的とした新製造棟を建設中であることから、半導体関連企業を含む電子部品製造企業等の物流施設の需要増加が見込まれるエリアとなっています。
 新築棟の開発はブリッジスキームを活用した開発プロジェクトであり、ブリッジャーである鹿島リース㈱を工事発注者として新築棟が建設され、投資法人は竣工後の新築棟の取得についてブリッジャーを含む関係者との間で基本協定書を締結しています。また、開発期間中において、新築棟建設予定地について、ブリッジャーとの間で定期借地権設定契約を締結し地代を収受する予定となっていることから、ブリッジスキームの活用により開発期間中のダウンタイムの発生を防ぎつつ、更に、既存棟の賃料収入に加え新築棟工事にかかる地代を収受することで、収益性の維持を図ると述べています。


既存棟取得と新築棟開発スケジュール(予定)

 ①プロジェクト基本協定書締結(新築棟):2021年8月25日
 ②信託受益権売買契約締結(既存棟):2021年9月8日
 ③基本設計・実施設計:2021年8月~10月(予定)
 ④定期建物賃貸借契約締結(既存棟):2021年12月13日(予定)
 ⑤定期借地権設定契約締結:2021年12月13日(予定)
 ⑥新築棟工事期間:2021年12月~2022年9月(予定)
 ⑦新築棟運用開始:2022年9月(予定)


20210916産業ファンド投資法人ポートフォリオの推移


 既存の物件取得+その敷地に新築棟を建設しようという考えのようです。これ自体は特に悪い取り組みではないですし、変にIoTやAIなどを謳って「不動産テック」なる言葉に囚われて金をドブに捨てるような取組みよりもよっぽど堅実的だと思います。BTS型でありながら3分割できるため仮に退去したとしても、後のリーシングの選択肢も広がるので今回の取得+開発は良い判断ではないでしょうか。