2021年9月14日に日本ロジスティクスファンド投資法人の決算が発表されました。分配金は当初の予想一口当たり分配金が4,800円のところ4,800円で着地しました。

ACTIVE Asset Managementを打ち出し内部成長を強化
20210919日本ロジスティクスファンド投資法人賃貸事業利益率

 2021年7月期は2021年3月1日に愛西物流センター(取得価格:2,510百万円)の取得を行いました。物流施設の取得競争が激化しているため、開発段階から案件に関与し優良物件を相対的に有利な条件で取得する取組みも取り組んでいます。
 運用管理面については保有物件の修繕・更新工事の実施に際しては、工事費用の平準化等に留意し、従来同様に各物件の特性に合った効率的な運用管理を行うとで保有不動産の維持管理最適化に取組みました。資産運用会社では物件運用に関する業務プロセス・体制の強化・見直しを進めたことで成果が表れてきていると述べています。また、投資法人では1口当たり分配金と1口当たりNAVの安定と持続的な成長を達成するための戦略である「ACTIVE Asset Management」を通じ、長期的なキャッシュ・フローの安定性に注目したポートフォリオマネジメントを推進しています。今期はこのACTIVEAssetManagementの一環として取り組んだ、千葉北物流センターのリニューアル工事が完了し、大幅な賃料増額でリース契約を締結しました。その他、再開発実施中の浦安物流センターにおいては、竣工前でのテナントリーシングが完了し、複数の既存物件においても賃料増額での再契約を予定しています。
2021年7月期の業績は営業収益9,154百万円、営業利益4,302百万円、経常利益3,914百万円、当期純利益3,913百万円となりました。2021年7月期末時点での稼働率はポートフォリオ全体で98.9%となっています。


決算日後もグリーンローン2本の借入を実施しサスティナビリティの取組みに積極的

 2021年7月期の財務戦略の取組みは、1口当たり分配金の持続的な成長を最優先に、保守的な有利子負債比率の維持に留意しつつ、金融機関からの借入れ・公募増資等の財務活動を行っていきます。有利子負債による調達にあたっては資金調達先や返済期限の分散に配慮した対応を行う方針です。また、敷金及び保証金についても、物件の取得資金の一部として活用する等、効率的なキャッシュ・マネジメントを行う方針を継続しています。実際の取組みとしては、2021年2月に返済期限を迎えた長期借入金9,000百万円について、長期借入金7,000百万円の借入れ及び投資法人初となるグリーンボンド2,000百万円の発行によるリファイナンスを行い、返済期限の分散化と平均借入期間の長期化を図りました。これにより、当期末時点での有利子負債総額は114,700百万円、LTVで44.2%、鑑定評価額ベースで31.4%となっており、引き続き安定的な財務運営を行っています。2021年7月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱日本格付研究所(JCR)長期発行体格付:AA-、格付の方向性:安定的
・㈱格付投資情報センター(R&I)発行体格付:AA、格付の方向性:安定的


ACTIVE Asset Managementとは何か?

 日本ロジスティクスファンド投資法人は上記の通りACTIVE Asset Managementというポートフォリオ構築戦略を敷いてします。これは①内部成長の更なる推進、②自律的・主体的な成長機会の創出、③成長に備えた柔軟な財務戦略、④ESGへの取組みの加速の4つで構成されています。②~④は既に行われていることで、目新しさは無いですね。ということでアセットマネージャーとして一番大事なのは当然①です。

 内部成長を「攻め」と「守り」2つに分け、攻めではOBR、リニューアル工事、バリューアップ工事を利用して賃料ギャップを解消することが狙いです。守りについてはテナント満足度の維持をすることで再契約率の向上や賃料の維持を目指す狙いがあります。

 これらは、当然どこ投資法人でもどのアセットでも行っているところです。が、日本ロジスティクスファンド投資法人の場合はマルチテナント型の物流施設が比率が高い点が挙げられ、賃貸借契約解約時に退去リスクがあります。BTS型の物流施設が多いGLP投資法人と違い退去リスクに備えなければなりません。現時点でOBRは8棟が検討されています。こう再開発が日常的になってくると賃料増加が分配金として跳ね返ってくるのはだいたい2年以降先ということになります。再開発の資金をグリーンローンやグリーンボンドでの調達を目論んでいるんでしょうが、分配金の上昇に繋がるとは素直に考えにくいですね。個人的にはグリーンローンやグリーンボンドを利用して素直に外部の物件を取得した方が分配金の上昇に繋がると考えます。