2021年9月14日に森ヒルズリート投資法人の決算が発表されました。分配金は当初の予想一口当たり分配金が2,910円のところ2,913円で着地しました。

賃料固定型マスターリースで収益の安定性は継続
20210920森ヒルズリート投資法人NOI・NCF・ROA利回り

 2021年7月期は外部成長の取組みとして、2021年2月19日にスポンサーである森ビル㈱と虎ノ門ヒルズ森タワーの追加取得(7,870百万円)の売買契約書(取得日は2021年8月2日)を締結しました。こちらは既に取得されています。内部成長については、2021年7月期においても、テナントニーズを把握した効率的かつ計画的な運営管理及び修繕工事によりテナント満足度の維持向上に努めるとともに、賃貸市況の動向を見据えながら新規及び既存テナントに対する積極的なリーシング活動を展開し、稼働率及び賃料水準の維持向上を図りました。保有物件の運用については、テナント満足度を高めるとともに、合理的、効率的かつ計画的な資産運用管理を行うことを基本方針とし、ポートフォリオの中長期的な安定収益の確保と資産価値の維持向上を引き続き図っています。また今後も、森ビルグループの物件パイプラインを有効活用した外部成長を推進するとともに、賃料固定型マスターリースによる収益安定性も保持する方向は継続していくようです。2021年7月期末における投資法人の不動産ポートフォリオは、保有物件ベースで11物件、既投資額で402,910百万円(取得価格ベース)、総賃貸可能面積178,832.97㎡、期末稼働率は97.6%となっています。2021年7月期の営業収益は9,841百万円、営業利益は6,157百万円、経常利益は5,583百万円、当期純利益は5,582百万円となりました。

 新型コロナウイルスの影響に伴うテレワークの浸透により、本社機能とリモートワークを分散させる形態が増加してオフィス需要が減少することが懸念されていますが、投資法人が主な投資対象とする東京都心の物件については、本社機能としてのオフィス需要が着実に獲得できるため問題無いというメッセージを発しています。それは、森ビルグループのブランド力、営業力及び施設運営能力等が十分に発揮できる、東京都心5区エリア(港区、千代田区、中央区、新宿区、渋谷区)及びその周辺地区)に所在し、クオリティ、規模、スペック等から見て、将来にわたり十分競争力の優位性を維持できるている点に挙げられます。


コロナ禍でも資金調達環境に変化なし

 資金調達面の動きについては、2021年8月2日付で取得した新規物件の取得資金等の一部に充当するため、1,800百万円の投資法人債を発行しました。また、既存の長期借入金6,500百万円の借換え及び投資法人債2,000百万円の償還のため、6,500百万円の長期借入れを行い、2,000百万円の投資法人債を発行しました。その結果、2021年7月期末の借入金残高は167,422百万円(全て長期借入金。うち1年内返済予定の長期借入金22,000百万円)、投資法人債残高は18,800百万円となり、有利子負債残高は186,222百万円となっています。これらの借入れのうち、固定金利である投資法人債18,800百万円及び長期借入金7,700百万円に加えて、変動金利である長期借入金159,722百万円のうち144,466百万円については、金利上昇リスクに対応するため金利スワップの活用により実質的な金利の固定化を行っています(有利子負債に占める固定金利比率は91.8%)。
 2021年7月末LTVは簿価46.0%・鑑定38.3%、負債平均残存年数4.5年とターゲット水準を維持しています。なお、今後の借入れに関して、借入金の返済期限を分散することにより、リファイナンスリスクの軽減を目指すとしています。2021年7月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱日本格付研究所(JCR)長期発行体格付:AA、格付の方向性:安定的