2021年9月14日にケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人の決算が発表されました。分配金は当初の予想一口当たり分配金が4,100円のところ4,117円で着地しました。

ヘルスケア施設への往訪は控えつつも修繕工事は着実に実行
20210921ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人NOI推移

 2021年7月期において、ポートフォリオ全体の資産構成、将来における収益力等を総合的に勘案した結果、以下の居住用施設3物件(取得価格の総額2,533百万円)、ヘルスケア施設2物件(取得価格の総額4,429百万円)合計5物件(取得価格の総額6,963百万円)を取得し、居住用施設1物件(取得価格650百万円・譲渡価格1,110百万円)を譲渡しました。上記の結果、2021年7月期末の保有物件は居住用施設が133物件(取得価格の総額202,182百万円)、ヘルスケア施設が26物件(取得価格の総額58,620百万円)、宿泊施設が2物件(取得価格の総額4,960百万円)の計161物件(取得価格の総額265,762百万円)となりました。
 居住用施設については、地域・立地及び都市、賃料帯、又はテナント層(法人・個人)等の特性を多角的に考慮することにより選定された、保有不動産の運営・管理を手がけるPM会社と連携のうえ、パフォーマンスの安定化・最大化を目指して運用を実施しました。更に、各地域に密着した有力不動産会社との連携及びPM会社の効率的なリーシング活動の強化を図りました。また、個別物件の特性、稼働状況を踏まえた募集条件の設定、「KDXレジデンス」のブランド力を活かした効率的な広告活動の実施、更にはリーシングエージェントの活用、物件ごとの特性に応じた機動的な営業活動を計画的に行いました。
 居住用施設の具体的な賃貸事業収入の向上に資する施策として、稼働状況が安定・好調な物件については、テナント入替え時の賃料水準の引上げや礼金の収受、更新時の賃料増額、駐車場契約率の向上、携帯電話用アンテナの新規設置等による建物付帯収入の増加を図るとともに、賃貸事業費用の削減として、共用部照明のLED化並びに付帯契約及び募集経費等の一層の見直しを行い、収支向上を図りました。また、運用資産の市場競争力の維持・向上を目的として、計画的な大規模修繕工事を5物件、共用部のリニューアル工事、専有部のバリューアップ工事及び設備の更新等を実施しました。また共用部へのLED照明導入を前期に続き引き続き実施しました。上記の結果、居住用施設の稼働率は2021年7月期末時点で96.2%となりました。また、期中平均稼働率は、95.9%となっています。
 ヘルスケア施設の具体的な賃貸事業収入の維持・向上に資する施策として、オペレーターモニタリングの一環で、各施設に往訪して収支・稼働率を含む施設運営状況の確認、施設管理者等へのヒアリングを実施していますが、コロナウイルス感染拡大を鑑み、2021年7月期も往訪は極力控えました。ただし、可能な方法にて施設管理者等へのヒアリングを実施し、オペレーターの事業運営能力や経営の安定性等のモニタリングを行っています。また、修繕工事は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、感染対策を徹底した上で優先順位を考慮して対応しました。上記の結果、ヘルスケア施設の稼働率は期中平均100.0%、期末時点で100.0%となっています。なお、ポートフォリオ全体の稼働率は2021年7月期末時点で97.4%となりました。尚、少数の宿泊施設については、コロナウイルス感染拡大により、国内の出張や旅行・宿泊需要の大幅な落ち込みもあり、今後の経済動向を注視しつつ運用を行っていくと述べています。2021年7月期の業績は、営業収益9,195百万円、営業利益4,822百万円、経常利益4,147百万円、当期純利益4,146百万円となりました。


レジデンスの安定性で格付けはポジティブを維持

 ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人の資金調達に際しては、中長期にわたる安定的な収益の確保及び運用資産の持続的な成長を目的として、財務の安定性と資金調達コストのバランスを考慮したうえで実行しています。2021年7月期においては、2021年2月25日に特定資産の取得資金等への充当を目的として、公募増資により42,500口の新投資口の発行を行い、7,402百万円の資金を調達しました。また、2021年3月9日に特定資産の取得資金等への充当を目的として、第三者割当増資により2,125口の新投資口の発行を行い、370百万円の資金を調達しました。これにより出資総額は116,322百万円となっています。
 借入れについては期中に返済期日が到来した借入れの返済資金として8,750百万円の借入れを行いました。2021年7月期末の借入金残高は138,220百万円となりました。投資法人債については、2021年5月31日に第7回無担保投資法人債(ソーシャルボンド)1,700百万円を発行し、2021年7月末の残高は、8,700百万円となりました。ソーシャルボンドの発行により調達した資金は、ソーシャル適格資産であるリハビリホームグランダ神戸北野の取得資金に全額充当しました。この結果、、投資法人債を含めた有利子負債残高は146,920百万円となり、有利子負債の平均残存年数は4.1年、平均金利は0.93%に、また長期負債比率は84.4%、固定金利比率は98.4%に、LTVは50.1%となっています。2021年7月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱日本格付研究所(JCR)長期発行体格付:AA、格付の方向性:ポジティブ、債券格付:A+

 ヘルスケア施設は入居者の方の命を預かっている面もあるためオペレーターではなく、オーナーの立場であっても取り扱いはデリケートですが、コロナウイルスの影響で更に慎重な運営が求められています。毎月のヒアリングも行っていないということですが、その点については致し方無しかと思います。オペレーターは運営のスタンスは消極的ではないようし、レジデンスの方も期末稼働率が96.2%と良好な水準にあると言えそうです。