2021年9月14日に三井不動産ロジスティクスパーク投資法人の決算が発表されました。分配金は当初の予想一口当たり分配金が7,772円のところ7,816円で着地しました。
尚、利益超過分配金974円が含まれています。

優先交渉権取得済物件はトラックレコード積んでいる時期

 2021年3月16日にスポンサーである三井不動産㈱からMFIP印西Ⅱ(取得価格15,150百万円)の取得を行いました。MFIP印西Ⅱは千葉県印西市に所在し、都心から車で約1時間の距離に位置しているほか、大型地震発生時の交通規制エリア外であるため、非常時も駆けつけることが可能であり、良好なアクセス性を有しています。また、対象不動産が立地する千葉ニュータウンでは、耐震性を有する共同溝を通じてライフライン(電力ケーブル、通信ケーブル、地域冷暖房(冷水、温水)、上水道等)が供給されており、インフラ面でも優位性を備えているため、周辺には金融機関等のコンピュータセンターが集中しています。
 スポンサーとは優先情報提供対象物件が11物件(約110万㎡)ありますが、そのうち9物件(92万㎡)が竣工済みであり、外部成長機会を引き続き確保しています。竣工済の物件は今はスポンサーSPCもしくはスポンサー自身で運用されトラックレコードを積んでいる時期ですね。竣工してからいきなり投資法人に売却するのはスポンサーとして、取得する投資法人サイドからしてもリスクなので暫くは建物の不備や欠陥が無いか、問題があるテナント(クレーマー)でないかというところをチェックしている状況です。
 運用・管理面については、三井不動産㈱と物流施設事業における戦略的パートナーシップを組み持続的な成長を果たすことで投資主価値の最大化を目指すことを基本方針として、当期末までの保有21物件(取得価格合計2,976億円)の運用を着実に行い、ポートフォリオ全体の当期末時点において稼働率100.0%と良好な稼働状況を維持しています。2021年7月期の業績は営業収益9,267百万円、営業利益3,935百万円、経常利益3,708百万円、当期純利益3,708百万円となりました。
 
 スポンサーが三井不動産㈱だからできる技だと思いますが、「MFLP ICT LABO 2.0」の物流ICT体験型ショールームを設置し入庫から出庫まで最先端ICT機器により自動化したライン(フルオートメーション物流モデル)の展示を行い、テナントリーシングに一役買っています。展示されている機器は、オートフォーク、開梱・封緘双腕ロボ、オートストアなど本当に次世代の物流施設といった機器が並んでいます。


格付けの方向性が安定的→ポジティブへ1ノッチUP
20210926三井不動産ロジスティクスパーク投資法人LTV・DSCR推移

 資金調達の動きは、2021期においては、MFIP印西Ⅱの取得資金として、2021年3月に15,500百万円(短期借入金3,500百万円、長期借入金12,000百万円)、短期借入金の返済資金として、2021年2月に5,900百万円(短期借入金)、分配金の支払資金として、2021年4月に4,000百万円(短期借入金)及び、短期借入金の返済資金として、2021年5月に2,000百万円(短期借入金)の借入れを行い、当期中にかかる短期借入金の一部及び減価償却等から生じる内部留保を原資として合計19,300百万円(短期借入金)の返済を行いました。また、2021年2月に第1回無担保投資法人債(特定投資法人債間限定同順位特約付)(サステナビリティボンド)発行により、3,000百万円を調達いたしました。その結果、2021年7月期末における有利子負債の残高は総額99,400百万円(短期借入金2,000百万円、1年内返済予定の長期借入金1,900百万円、投資法人債3,000百万円及び長期借入金92,500百万円)、LTVは33.6%となりました。2021年7月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱日本格付研究所(JCR)長期発行体格付:AA-、格付の方向性:ポジティブ

 新投資口の発行、借入等の資金調達に際しては、安定的な財務運営を行うとともに、分配金については、キャッシュフロー(FFO)に基づき継続的に利益を超える金銭の分配(出資の払戻し)を行うことを通じて、安定的な分配金水準の確保及び効率的なキャッシュマネジメントを両立させることを目指しています。