2021年10月15日に大和ハウスリート投資法人の決算が発表されました。分配金は当初の予想一口当たり分配金が6,050円のところ6,118円で着地しました。

賃料減免が進むものの想定の範囲内
20211025大和ハウスリート投資法人NOI・NCF・ROA利回り推移

 大和ハウスリート投資法人は成長戦略として、ポートフォリオは、総合型REITへの転換により、リスク・リターンの特徴が異なる多様な資産が含まれるようになり、保有資産は高い稼働率を維持しています。多様な資産への投資により、ポートフォリオの分散が進展するとともにテナント集中リスクが低減し、ポートフォリオの収益性及びキャッシュ・フローの安定性の更なる向上を図ることができると考えています。
 主に大和ハウスグループのパイプラインから、投資主価値向上に資する資産を厳選して取得するとしています。2021年8月期は2021年3月にビッグタワー南3条を譲渡価格35億円で売却しました。また、物件入替として手元資金により、2021年4月に大和ハウスグループのパイプラインからDPL新習志野(物流施設)を取得価格59億円で取得しました。この結果、投資法人の2021年8月期末のポートフォリオは、物件数227物件、資産規模8,242億円となりました。ビッグタワー南3条はかつてインヴィンシブル投資法人が保有していた物件ですも。立地・スペックの高い物件であれば築年数に関係無く保有していても分配金に十分寄与できるということを体現した物件となりました。そんな物件をインヴィンシブル投資法人が手放したのは当時メインスポンサーであったフォートレス様からホテルを買うための取得資金を確保するためです。インヴィンシブル投資法人は利回りや運用ガイドラインとかはどうでも良くスポンサー様からホテルを買う(スポンサーから押し付けられる)ことが当時の至上命題でしたから。
 運用・管理面は、居住施設を中心とした着実な賃料増額、太陽光発電設備設置工事、LED化工事等の追加投資による賃料増額の他、カスタリア麻布十番他レジデンス他11物件で大規模修繕工事を実施しました。ホテルと商業施設の一部のテナントで賃料を減免した物件が複数存在するようです。

コロナによる賃料減免の影響

 居住施設内商業テナント:3件、賃料減免額:2百万円
 商業施設:13件、賃料減免額:19百万円
 ホテル(商業テナント含む):3件、賃料減免額:84百万円

 保有資産の不動産評価額合計は939,116百万円であり、帳簿価額との差額である含み益の金額は152,694百万円となっています。上記運用の結果、投資法人の2021年8月期実績は、営業収益29,571百万円、営業利益13,116百万円、経常利益11,619百万円、当期純利益11,619百万円の計上となりました。


有利子負債の長期固定化と返済期限の分散を推進

 大和ハウスリート投資法人の財務戦略は、中長期にわたる安定的な収益の確保と運用資産の着実な成長並びに効率的な運用及び運用の安定性に資するため、計画的かつ機動的な財務戦略を立案し、実行することを基本方針とします。強固なレンダーフォーメーションを維持・拡大するとともに、投資法人債の発行による資金調達手段の多様化に取り組み、有利子負債の金利の長期固定化及び返済期限の分散化を推進し、財務基盤の安定性の向上に努めています。
 2021年4月1日に返済期限が到来した既存借入金3,000百万円の返済資金に充当するため、同日付で3,000百万円のリファイナンスを実施しました。また、2021年4月30日に返済期限が到来した既存借入金9,500百万円の返済資金に充当するため、2021年4月15日に第14回無担保投資法人債(グリーンボンド)4,000百万円の発行及び2021年4月30日に5,500百万円のリファイナンスを実施しました。
 この結果、投資法人の2021年8月期末の有利子負債残高は前期と同額の378,558百万円(借入金残高344,558百万円、投資法人債残高34,000百万円)となり、LTV(のれんを含む)は42.0%、LTV(のれんを除く)は45.0%となりました。2021年8月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱日本格付研究所(JCR)長期発行体格付:AA、格付の方向性:安定的
・㈱格付投資情報センター(R&I)発行体格付:AA-、格付の方向性:安定的