2021年10月15日にラサールロジポート投資法人の決算が発表されました。分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,142円のところ3,193円で着地しました。
尚、利益超過分配金231円が含まれています。

サスティナビリティ戦略への力の入れ方が強い
20211027サンケイリアルエステート投資法人1口当たりNAV推移

 ラサールロジポート投資法人は、先進的物流施設の賃貸市場における需要は引き続き強いと考えています。サード・パーティ・ロジスティクス(3PL)事業者等を主体とした築古拠点の集約及び統合、新規拡張並びに用途の多様化などの流れは継続しており、全国的な物流網の構築も、先進的物流施設に対する構造的な需要の拡大を後押しするものと考えています。
 2021年3月18日に関西1プロパティー特定目的会社の出資証券を201百万円で取得しました。反対に2021年4月14日に保有していた南港プロパティー特定目的会社出資証券の償還が行われました。これは南港プロパティー特定目的会社が保有していたロジポート大阪ベイの取得が決定したためです。
 内部成長の取組みは、屋根上への太陽光発電設備の設置を順次進めており、サスティナビリティ対応にかなり強い力を入れています。その発電容量はポートフォリオ全体で合計25.8MWにまで拡大し、2020年の発電量実績は17.7GWhとなり、ポートフォリオ全体の総エネルギー消費量の31.3%を占めています。
 2021年8月期末までの保有19物件(取得価格合計357,829百万円、賃貸可能面積1,478,651㎡)の運用を着実に行い、ポートフォリオ全体の当期末時点の稼働率は98.8%と良好な稼働状況です。テナント数は169テナントとテナント分散が図られたポートフォリオとなっています。2021年8月期の運用期間は、2021年3月1日から2021年8月31日までの184日間であり、営業収益は10,707百万円、営業利益は5,974百万円、経常利益は5,288百万円、当期純利益は5,287百万円となりました。

 ラサールロジポート投資法人は、現在の環境下、首都圏の物流施設市場では、過去最高水準の新規供給が続いたものの、潜在需要の顕在化などから総需要も拡大し、空室率は1%台と低位安定、賃料も緩やかな上昇傾向を維持しております。同様に、過去最高水準の新規供給を記録した近畿圏でも、既存物件は押しなべて高稼働を維持しております。大阪湾岸エリア及び内陸エリアにおいては、好調なプレリーシングに後押しされて、空室率は2%台近辺へ低下、膠着していた賃料も緩やかな上昇に転じたと述べています。
 金融市場では、世界的な金融緩和を受けて、海外金利の低下、歴史的な株高を記録しました。物流不動産市場でも、底堅い需要、安定した賃料収入の見通し等を背景に、債券投資を上回るインカム・リターンを志向する年金基金や保険会社等をはじめとした純投資資金の流入が継続しております。開発用地取得競争の激化、不動産価格の上昇、取引利回りの縮小にも関わらず、物流不動産市場の年間取引高は過去最高を記録しています。


資金調達余力は引き続き高い

 資金調達については、2021年4月27日を払込期日とする公募増資により22,656百万円を、2021年5月25日を払込期日とする第三者割当増資により1,132百万円をそれぞれ調達し、2021年8月期末時点の出資総額(純額)は209,623百万円となりました。2021年8月期において取得した物件は、1物件であり(ロジポート大阪ベイ)、かかる物件の取得資金及び関連費用の一部に充当するために、2021年4月に19,700百万円の借入れを行いました。また、2021年5月25日を払込期日とする第三者割当による新投資口発行の手取金が払い込まれたこと、物件の取得その他各種費用支払いに伴う消費税の還付を受けたこと、及び南港プロパティー特定目的会社より優先出資証券の元本が償還されたことに伴い、2021年6月11日に合計1,900百万円の借入金の期限前返済及び一部期限前返済、2021年7月1日に合計2,824百万円の借入金の期限前返済及び一部期限前返済をそれぞれ行いました。上記の結果、2021年8月期末における本投資法人の有利子負債の残高は161,320百万円、LTVは41.8%となりました。2021年8月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱日本格付研究所(JCR)長期発行体格付:AA-、格付の方向性:ポジティブ