2021年10月19日に日本アコモデーションファンド投資法人の決算が発表されました。分配金は当初の予想一口当たり分配金が9,750円のところ10,035円で着地しました。

運用はコスト削減を更にもう1レベル上げる
20211030日本アコモデーションファンド投資法人NOI推移

 当期は、2021年4月に4物件(うち2物件は共有持分追加取得)、2021年6月に3物件の計7物件(取得価格の合計194億円)を取得しました。こうした環境において、本投資法人のポートフォリオにおける「賃貸住宅」では、プロパティ・マネジメント会社である三井不動産レジデンシャルリース株式会社と本投資法人の資産運用会社である株式会社三井不動産アコモデーションファンドマネジメントが適切に協働して管理運営に努めた結果、賃貸住宅の稼働率は当期末時点で95.7%となり、テナント入替時における入替前後の賃料変動率は2.0%と上昇基調を維持しました。また、建物管理仕様及び管理運営コストの妥当性の検証を適宜行うとともに、プロパティ・マネジメント会社へ一括して発注するメリットの活用等によるコスト削減に努めています。 
 一方「ホスピタリティ施設」においては専門のオペレータ又は事業法人との間で固定賃料の長期契約を締結しており賃料収入は安定しています。各物件の状況については、宿泊施設では厳しい状況が続いていますが、寮・社宅やシニア住宅は概ね安定して稼働しております。また、資産運用会社が管理運営状況を定期的にモニタリングしており、必要に応じオペレータ又は事業法人と協議調整を図っております。 
 ポートフォリオの競争力の維持・向上については、築年数の経過に応じた適切な更新工事やバリューアップ工事等を計画的に実施しており、当期においては、大川端賃貸棟の専有部等について設備更新やリノベーション工事を実施しました。また、継続的なコスト削減への取り組みに加え、共用部照明のLED化工事等を実施する等環境面に配慮した省エネ設備等の導入も順次実施しています。 上記内容による運用の結果、当期は、営業収益11,986百万円、営業利益5,428百万円、経常利益4,978百万円となり、当期純利益は4,978百万円となりました。


資金調達コストは更に低下

 財務戦略では、金利上昇リスク、リファイナンスリスクへの対応を考慮し、借入においてはコストに留意しつつ長期固定金利による調達と返済期限の分散を重視した運営を行います。また、LTVの上限については、資産運用ガイドラインにおいて60%を目途と定めていますが、外部成長過程における当面の上限水準として55%を目安としています。物件取得等の資金需要及び財務状況に応じて、市場動向並びに分配金水準等に留意しながら、募集投資口の発行を検討します。なお、投資法人債の発行については、発行登録が行われた発行可能額の範囲内で市場動向に応じて適宜検討を行っています。
 日本アコモデーションファンド投資法人は、中長期的に安定した分配金の確保等に配慮した保守的な運用を行うことを基本方針としており、2021年8月期も引き続き市場動向及び金利水準に留意しながら既存借入金のリファイナンスを行うことで、調達先の分散・返済期限の分散・長期固定金利による調達を進めました。その結果、期末における総有利子負債は1,695億円(前期比100億円増加)、長期負債比率は97.6%、長期固定負債比率は95.3%、LTVは51.7%、長期有利子負債の平均残存年数は4.8年、借入先金融機関数は26社、期末時点の加重平均レートは0.52%となりました。 
 また、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保するため、2021年8月期末の借入極度額総額150億円のコミットメントラインを設定しています。 投資法人債による資金調達については、2021年7月に公募投資法人債の発行枠の設定に関する発行登録書を提出しており、当期末における発行可能額は1,000億円となっています。