2021年12月13日に投資法人みらいの決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が1,260円のところ1,289円で着地しました。

ディフェンシブなアセットに入れ替える方針
20211220投資法人みらい・賃貸事業利益推移

 2021年10月期は投資法人みらいも他のJ-REITと同様、新型コロナウイルス感染症の影響を受けており、ホテル分野は本年4月25日以降の大都市圏を中心とした緊急事態宣言の再発出及びその後の延長等の影響を大きく受けました。新規感染者が大幅に減少し、緊急事態宣言が解除された10月以降は、殆どのホテルで稼働率は改善傾向にありますが。また、商業施設分野では、新型コロナウイルス感染症の影響は限定的であり、奈良の複合商業施設であるミ・ナーラにおいては、繁華性の向上を志向して取り組んだ核テナントの入替等の再リニューアル効果が出始めています。オフィス賃貸市場においては、一部の物件で引き続き新型コロナウイルスを理由とした退去が顕在化している一方、解約区画の埋め戻しも進捗しています。2021年10月期は物件の取得及び譲渡は行わず外部成長の動きはありませんでした。運用面については、2021年3月31日にカインズホーム彦根(土地)、マックスバリュ高取店(底地)の賃料収入が満額寄与しました。2021年10月期末の運用資産は34物件、取得価格の合計は153,904百万円、総賃貸可能面積は347,842.02㎡、稼働率は97.8%となりました。これらの運用の結果、投資法人は2021年10月期の実績として営業収益5,113百万円、営業利益2,397百万円、経常利益2,144百万円、当期純利益2,143百万円を計上しました。


公募増資前の静かな時期
 
 投資法人みらいは保守的なLTV水準の維持とメガバンクグループを中心としたレンダーフォーメーションの構築により強固な財務基盤の構築を図っています。2021年10月期の財務戦略の取り組みは、2021年9月28日付で発行した第3回投資法人債2,000百万円及び第4回投資法人債1,000百万円により、2021年9月28日にコミットメントラインに基づく短期借入金1,000百万円及び2021年9月30日に短期借入金2,000百万円を返済しました。また、2021年10月29日に返済期限の到来した借入金1,500百万円の返済にあたり同日付で長期借入金1,500百万円の資金の借入を行いました。2021年10月期末時点の借入金及び投資法人債の残高は78,700百万円(うち、1年内返済予定の長期借入金10,000百万円、長期借入金63,700百万円、投資法人債5,000百万円)、LTVは48.8%となっています。
 なお、機動的かつ安定的な資金調達の確保と、より一層強固な財務基盤の構築を目的として、借入極度額3,000百万円のコミットメントラインを設定しています。2021年10月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱日本格付研究所(JCR)、発行体格付:A+、格付の見通し:安定的

 賃貸事業利益が上昇したことでNOI利回りも大きく改善しました。主力のオフィスビル、商業施設、ホテルの強化は必要だと感じます。それはもちろん投資法人みらいも分かっているようで2021年12月13日に物件取得を発表しました。リリースされたのは4棟の取得(オフィス1棟、商業施設2棟、工場1棟)ですが、商業施設のうち1つと工場は底地の取得です。かなり安定性を気にした物件取得となっています。