2022年1月5日にしんきんアセットマネジメントよりJ-REITマーケットレポートが開示されましたのでご紹介致します。


 2021年12月は持ち直す動きになりました。上旬は新型コロナウイルスの新しい変異株「オミクロン株」に対する懸念や、米連邦準備制度理事会(FRB)によるテーパリング(量的緩和の縮小)のペース加速への警戒などが重しになったものの、オミクロン株は重症化しにくいとの見方などから、買いが優勢になりました。11月の東京都心のオフィス空室率が21か月ぶりに低下したことも買い安心感につながりました。ただ中旬は、欧州でオミクロン株の感染拡大による行動制限が広がる中、東証REIT指数は16日まで4日続落するなど売りに押されました。下旬は、オミクロン株への警戒感が後退する中、新型コロナの経口薬やGoToトラベルへの期待などから、底堅い動きが継続しました。
 今後は、底堅いものの、やや神経質な展開を予想します。東京都心のオフィス空室率の上昇が一服したことは安心材料です。経済活動再開やGoToトラベルなどへの期待も市場を下支えすると見込まれます。他方、インフレ圧力が強まる中、米FRBはテーパリングのペースを加速させるとともに、利上げ見通しを引き上げました。米国でインフレ高進が続くとの観測が強まると、利上げの前倒しや、量的引き締め(FRBの保有資産の圧縮、緩和マネーの縮小)への警戒から、内外の金融市場が不安定になる可能性があります。オミクロン株への懸念が広がる中、新型コロナの感染再拡大(第6波)への警戒が強まることにも注意が必要です。

12月の主要指標
20220110しんきんアセットJ-REITレポート2021年12月

 東証REIT指数
  2,066.33円前月比(+3.2%)

 東証REIT指数(用途別)  
  オフィス   1,890.14(前月比▲0.2%)
  住宅     3,355.55(前月比+7.6%)
  商業・物流等 2,664.62(前月比+5.5%)