2022年1月14日にアクティビア・プロパティーズ投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が9,350円のところ9,360円で着地しました。

オフィスビルのリーシングは苦戦中
20220119アクティビア・プロパティーズ投資法人NOI推移

 2021年11月期の外部成長は、公募増資により、2021年9月10日に「目黒東急ビル」、「キュープラザ新宿三丁目」及び「A-PLACE渋谷南平台」の3物件(3物件取得価格合計43,500百万円)を取得しました。また、2021年10月29日に「東急プラザ赤坂(50%準共有持分)」(譲渡価格11,800百万円)を譲渡するとともに、同日付で「A-PLACE田町イースト」(取得価格6,800百万円)を取得しました。
 この結果、2021年11月期末時点の投資法人の保有資産合計は47物件(取得価格合計548,035百万円)、総賃貸可能面積は429,067.46㎡(129,791坪)となりました。
 内部成長面はポートフォリオ全体及び運用資産毎の特性を十分に理解し、施設競争力の維持・向上のための運営・管理・リニューアル等を実施しています。また不動産の運営・管理経験が豊富なプロパティマネジメント会社を選定し、定期・不定期の検証を通じ、投資法人の運用資産の個別特性に合わせた適切な運営・管理を行うことにより、ポートフォリオの安定的な運用及び収益力の強化を目指しています。
 商業施設では都市部への入出は回復傾向にあるとして、賃料減額要請は一巡したと判断しているようですがテナントの売上回復はまだ途上と分析しています。商業テナントとの賃料減額交渉では減額期間経過後の賃料増額を設定したり、売上歩合を新設するなど独自の内部成長戦略を展開しています。中でも売上歩合を新設することで資産運用会社(AM会社)にてテナントの収益の見える化を取り入れたことは大きな進歩だと思います。しかも既に35件のテナントがこれに応じているようなのでコロナの補助金+賃料減額でコロナ前よりも実は儲かっているテナントを見破ることができるのではないでしょうか。不正をしているテナントを見過ごすことは投資家さんの収益機会を逸することを防ぐといった点でも有効だと思います。
 オフィスビルではコロナによる影響が長期化していることで稼働率・賃料水準は芳しくありません。実際に賃貸している賃料が不動産マーケットの賃料よりどの程度上回っているかを見る賃料ギャップはついに0%となってしまいました。リーシングは全般的に苦戦しているようです。今後は相対的に需要が高いエリア(具体的には恵比寿エリア)を中心に早期の稼働率向上を狙っていく考えのようです。汐留周辺では汐留ビルディングは稼働率100%となっているのに対しルオーゴ汐留は稼働率が80%台となってしまっているため同じエリアでも稼働率に開きがあります。完全に買い手市場になっているようですね。上記運用の結果、2021年11月期は営業収益15,646百万円、営業利益8,758百万円、経常利益7,781百万円、当期純利益7,753百万円となりました。


グリーンボンド発行も継続し財務条件に特別変化無し

 財務戦略は保守的なLTVコントロール及び借入金の長期固定化とマチュリティ分散(返済期限の分散化)を目指す健全な財務方針を有し、主要金融機関との良好なリレーションに基づく磐石なバンクフォーメーションにより、安定的な財務基盤の構築を図ります。また、資金調達手段多様化の観点から、金融マーケット動向を注視しつつ、投資法人債の発行にも取り組みます。また、新投資口の発行につきましては、長期的かつ安定的な成長のため、諸々の環境に配慮しつつ、慎重かつ機動的に行っていくとしています。
 2021年11月期においては、前記3物件の不動産信託受益権の取得資金及び関連費用の一部に充当するため、2021年9月7日に公募による投資口の追加発行(49,030口)及び2021年9月28日に第三者割当による新投資口の発行(2,500口)並びに2021年9月10日に16,200百万円の資金の借入れを行うとともに、返済期日が到来した借入金及び投資法人債の返済等のため、合計13,750百万円の借換えを行いました。また、グリーンボンド(無担保投資法人債)を2021年11月16日に3,900百万円発行し、短期借入金の返済に充当しました。この結果、当期末時点における有利子負債残高は260,350百万円(借入金233,650百万円、投資法人債26,700百万円)となりました。また、LTVについては46.0%、長期比率100%、固定金利比率96.6%となりました。2021年11月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱日本格付研究所(JCR)、長期発行体格付:AA、格付けの見通し:安定的