2021年12月期決算のJ-REITの収益性について分析しました。

・NOI利回り
20220305J-REIT(6・12月決算)NOI利回り推移
20220305J-REIT(6・12月決算)NOI利回り推移2

 NOI利回りのNOIは賃貸事業収入から賃貸事業費用を差し引き、減価償却費をプラスすることで算出しています。まずはインヴィンシブル投資法人は前期のマイナスから立ち直りプラスとなりました。がNOI利回りは0.49%。持ち直すにはまだまだ期間がかかりそうです。分配金も166円は酷いですね。安定性の高いレジデンスを売却し更にホテル特化になってしまいハイリスクハイリターンに舵を切ってしまったので投資家さんはハイリターンに期待するしかないですね。ジャパン・ホテル・リート投資法人は2.64%ですが、かつての6.37%だった時代からするとかなり苦しいものがあります。稼働率については多少の不安があるものの現在はマリモ地方創生リート投資法人のNOI利回りは高いですね。個人的には地方物件は中長期的にはどうか?思っているのですが、現在は取得価格の低さも相まってNOI利回りは高水準を維持しています。ポートフォリオも稼働率が厳しいオフィスビル・ホテルの比率が低く、レジデンスの比率が高いため資金の退避先としても有効なのではないでしょうか。
 商業施設でありながら固定賃料で収益の安定化も図っているフロンティア不動産投資法人や、大規模な物件取得を行った日本リート投資法人が今後は人気が出てきそうです。フロンティア不動産投資法人はテナントとの賃貸借の再契約が順調(結局多くがスポンサーですが)に進んでいます。日本リート投資法人は取得した物件の内部成長余力がまだあるので賃貸事業費用の削減やLED化工事等でコスト削減で利益が上がりやすい状況にあると考えられます。
 

・当期純利益率
20220305J-REIT(6・12月決算)当期純利益率推移
20220305J-REIT(6・12月決算)当期純利益率推移2

 6月・12月決算投資法人の当期純利益率はグラフの通りです。数値は高くはありませんが、ジャパン・ホテル・リート投資法人は頑張っています。前期は相鉄フレッサイン新橋烏森口の売却で3,158百万円の売却益を計上し、2021年12月期はイビス東京新宿はの売却で3,258百万円の売却益を計上しています。資産の売却は勿体無い気はしますが、中長期に渡り投資家に分配金を支払うことがJ-REITの特徴なのでそれに乗っ取れば運用資産の売却は妥当なものだと思います。トップラインの賃料収入(JHRは不動産運用収入と言っている)は前年と比べ減少しているのに対し賃貸事業費用(JHRは不動産運用費用)が上昇しているのが気になります。シンプルに外注委託費用(建物管理費+PMフィーに該当するオペレーションコスト)が上昇しています。ジャパン・ホテル・リート投資法人としてはコロナ後にリブランドして発進を目論んでいたのではないかと思うのですが別にジャパン・ホテル・リートのせいで運用成績が悪いのではなく、コロナ+緊急事態宣言やまん延防止等の影響で稼働率が悪いので、この成果はあまり出ないのではないかと思います。

 2021年12月期も不動産マーケットは好調と言いたいところですが、日本ビルファンド投資法人のNBF御茶ノ水ビルの売却損として▲3,273百万円を計上しています。御茶ノ水なんて管理しにくい訳でもないのですが、NBF御茶ノ水ビルは取得価格が高く、取得当時高値掴みした物件による影響です。この売却損と相殺する目的で中野坂上サンブライトツインも売却されたということは誰が見ても明らかです。日本ビルファンド投資法人らしからぬミスですが取得時に将来鑑定評価額が上がるだろうと見込んで取得したのだと思いますが、こういったことが老舗のJ-REITで行われるとJ-REIT事態の質が疑われるのでやめて頂きたいです。

 ですが、1棟ごとに売却価格を開示せずに都合の悪い情報は「先方の承諾が得られていない」として複数物件の売却損益をまとめて開示し上手くいったフリをしている某インヴィンシブル投資法人や某いちごオフィスリート投資法人に比べれば全然良心的だと思いますけどね。