2022年3月17日にアドバンス・レジデンス投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が5,600円のところ5,692円で着地しました。

専有部のバリューアップ工事で成約に結びつけたことは〇
20220327アドバンス・レジデンス投資法人NOI・NCF・ROA利回り

 2022年1月期の外部成長は三者からレジディア国立Ⅱとレジディア西天満の2物件を取得価格合計37億円で取得しました。前者は比較的広めのシングルタイプ(1K約29㎡)中心の物件で、鑑定価格比90.3%、NOI利回り4.8%で取得しました。後者はファミリータイプ(2LDK約58㎡)中心の物件で鑑定価格比95.5%、NOI利回り5.0%7)で取得しており、今後専有部内のバリューアップ工事実施により、更なる価値向上を目指します。また、2物件を売却価格合計10億円で売却し売却益合計4億円を計上しました。本売却益は安定分配の実現に活用する予定ということです。

 内部成長については、コロナ禍において、前期までは解約率が増加傾向であったものの、今期の解約は多少落ち着いて推移しました。この様な状況の下、賃料などの募集条件を緩和し、稼働率の維持及び向上に努めました。東京23区のシングルタイプを
中心に需給が緩んだため、稼働率向上を企図し、募集条件を緩和しました。その結果、期中平均稼働率は96.2%(前年同期比+0.3pt)となりました。一方、都心部を含めファミリータイプについては底堅い需要があり、新規契約賃料においては前年同期以上に引き上げることができました。しかしながら、上記東京23区のシングルタイプを中心とした募集条件の緩和と合わせて最終的に入替時賃料変動率は▲0.6%(前期比▲1.9%)となり、2015年1月期以来7年ぶりにマイナスとなりました。
 大規模修繕工事は11件(工事金額税込947百万円)実施しました。また、バリューアップ工事については、計34件(工事金額税抜142百万円)実施することができました。バリューアップ工事を実施した住戸のうち、2022年1月31日までに新たな賃貸借契約が締結された16戸では、前契約賃料に対して、賃料を平均28.1%引き上げることができ、コロナ禍においても、従前同様、バリューアップ工事が効果的に内部成長に寄与しました。


グリーンボンドの発行を継続しサスティナビリティ対応を強化中

 財務面は低金利環境の中、有利子負債の平均残存年数の長期化・平均支払金利の低減を行い、財務基盤の強化に努めました。投資法人の財務戦略の基本方針である、有利子負債の調達金利の低減と残存年数の長期化、金利の固定化、返済期日の分散化です。2022年1月期コロナ禍においても資金調達状況に変化はなく、総額192億円(平均支払金利0.41%、平均調達年数8.2年)の借入れ等を実施できました。これにより2022年1月期末の平均支払金利は0.61%となり、前期の0.66%から支払金利の低減を実現しました。また、残存年数は4.9年から5.0年に長期化し、財務基盤の一層の強化を図ることができました。

 また、サスティナビリティと一貫した取り組みの結果、昨年度に引き続き、2021年度のGRESBリアルエステイト評価 アジア・住宅セクターにおいて「セクターリーダー」に選出されました。また、MSCIジャパンESGセレクトリーダーズ指数組入れへの取組みも行っており、ESG格付「A」と、前期の「BBB」から向上しました。さらに、ESG投資に関心を持つ投資家層の拡大を目的とし、2本合計26億円のグリーンボンドの発行を行いました。2022年1月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱格付投資情報センター(R&I)、発行体格付:AA-、格付の見通し:安定的
・㈱日本格付研究所(JCR)、長期発行体格付:AA、格付の見通し:安定的