2022年4月14日に福岡リート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,500円のところ3,536円で着地しました。

福岡はコールセンター需要が強くオフィスビルの人気は根強い
20220421福岡リート投資法人NOI・NCF・ROA利回り推移

 2022年2月期の運用状況は、オフィスビル、物流施設、住宅及び生活圏型商業施設のアセットタイプについては堅調な運用実績となる一方で、都心型商業施設であるキャナルシティ博多では引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を残しており、ホテルでは観光需要等の戻りが弱いことから回復に至らない状況で推移しています。また、前期において取得契約を締結した博多筑紫通りセンタービルについては、翌期初である2022年3月1日に取得を完了しました。
 また、キャナルシティ博多では2022年4月にオープンする近隣競合施設の対策を推進 次世代のキャナルシティ博多に向けて、新コンセプトとロードマップを作成。パークプレイス大分では2022年4月にオープンした、ファミリー層強化のためのリニューアルゾーン工事を実施しました。サンリブシティ小倉ではリニューアル効果により売上が増加しており、2022年1~3月にまん延防止等重点措置の影響を受けるも、アクティブ商業は想定を上回る収益を上げているとことです。
 2022年2月期末のポートフォリオ(取得価格ベース)を投資対象エリア別で見ますと、福岡都市圏への投資比率が76.6%となっており、投資タイプ別の投資比率は、商業施設54.2%、オフィスビル31.5%、その他14.3%となっています。2022年2月期の営業収益は8,658百万円となり、賃貸事業費用や資産運用報酬等の営業費用を控除した後の営業利益は3,185百万円、経常利益は2,816百万円、当期純利益は2,814百万円となりました。

LTVは2020年8月以降は上昇傾向も安全性は問題無いレベル

 運用会社の㈱福岡リアルティでは、環境・社会・ガバナンス(ESG)への配慮を通じたサステナビリティを推進するため、サステナビリティ方針及びサステナビリティ推進体制要領を定め、サステナビリティ推進委員会(構成委員は、代表取締役社長、常勤の取締役、運用部、投資部、財務部、企画部及びコンプライアンス部の各部長です。)を設置し、社内体制、社外関係者との協働、情報開示方針等について、具体的な目標や施策の検討、施策実行に関する進捗状況の把握を行っています。実務面では、サステナビリティ推進委員会で決定した目標に関する実務的な責任者であるサステナビリティ執行責任者(企画部長)がサステナビリティ推進室長を兼務し、サステナビリティ推進室において、GRESBリアルエステイト評価(Green Star)、責任投資原則(PRI)及び21世紀金融行動原則(PFA21)の継続業務等を行っています。

 2022年2月期末における有利子負債残高(投資法人債を含みます。)は82,400百万円となりました。LTVは41.5%、期末固定比率(有利子負債の中で金利固定のものが占める割合です。投資法人債を含みます。)は94.1%となっています。また、㈱西日本シティ銀行をエージェントとするコミットメントライン契約(極度額:70億円)について、コミットメント期間を1年延長し、コミットメントラインの残存期間を3年にしています。今後も返済期日の分散及び長期化によるリファイナンスリスクの軽減に努めるとともに、借入金利の固定化等で金利上昇リスクの軽減に努めていくとしています。2022年2月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱格付投資情報センター(R&I)、発行体格付:A+、格付の見通し:安定的
・㈱日本格付研究所(JCR)、長期発行体格付:AA-、格付の見通し:安定的