2022年4月20日にオリックス不動産投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,460円のところ3,460円で着地しました。

商業施設のリーシングが好調

 オリックス不動産投資法人は、前期に続き外部成長戦略、内部成長戦略及び財務戦略を推進し、1口当たり分配金等の安定的成長を通じ、投資主価値の安定的成長を図っています。
 2022年2月期の外部成長は、ポートフォリオの質向上に主眼を置いた入替戦略の
一環で、2021年9月に「ラウンドクロス大手町北」(取得価格3,200百万円)を取得しました。また、2021年9月に「グッドタイムリビング新浦安」(売却価格2,000百万円)及び2022年2月に「スポーツクラブ香里園」(売却価格1,255百万円)を売却しました。中長期的に安定的な需要が期待できる住宅を取得し、一棟借りテナント退去後のリーシングが困難であった地方商業施設や将来的な競争力に懸念のあったオフィス・住宅を売却する入替を実施
 内部成長では、オリックスグループの専門性と全国ネットワークをオリックスシナジーとして活用し、投資法人の資産運用会社であるオリックス・アセットマネジメント㈱によるダイレクトPMを通じた物件の競争力向上やテナントリレーションの強化を図っています。オフィス・住宅では、稼働重視のリーシングによる埋め戻
しを推進。入替時の賃料単価は減少するも、稼働率の引き上げを図りました。電力コストの上昇幅を抑制するため、電力会社見直し等の実施するなどコストの削減にも引き続き取り組みました。リーシングについては、オフィス、都市型商業施設及び住宅における稼働を重視したリーシングを推進し、投資法人の保有する不動産関連資産の稼働率を2022年2月期末において96.7%となっています。上記のような運用の結果、当期の実績として営業収益23,746百万円、営業利益10,476百万円、経常利益9,351百万円、当期純利益9,338百万円を計上しました。


LTV46.8%→43.6%に減少
20220501オリックス不動産投資法人1口当たりNAV推移

 資金調達の面では、期限の到来した既存の借入金の返済資金に充てるため2021年9月から2022年2月までに18,040百万円の長期借入を行いました。結果として、当期末(2022年2月28日)時点における借入残高は267,137百万円、投資法人債残高は30,500百万円、有利子負債残高は297,637百万円となり、LTVは43.6%、固定金利比率は93.0%、長期負債比率は85.7%となりました。
 国内外の金利上昇圧力が強まるも、現状は金融機関の融資姿勢に大きな変化はなく、良好な調達環境が継続するとみており、資金コスト低減に配慮しつつ、財務の安定性に重きを置ことや、機動的な物件取得や調達環境の変調時に対応可能な流動性を維持、グリーンボンド含む投資法人債等の多様な調達を検討しており、内部留保を利用しての環境関連投資推進のための費用への充当することも模索しているためサスティナビリティ関連への出費が進むと考えられます。2022年2月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱格付投資情報センター(R&I)、発行体格付:AA-、格付の見通し:安定的
・㈱日本格付研究所(JCR)、長期発行体格付:AA、格付の見通し:安定的