ジャパンエクセレント投資法人・アークヒルズフロントタワーの優先交渉権取得

 2022年5月10日にジャパンエクセレント投資法人がスポンサーSPCである赤坂二丁目合同会社から優先交渉権を取得したと発表しました。

優先交渉権の概要
20220517アークヒルズフロントタワー

 ①対象資産:不動産等を信託財産とする信託の受益権
 ②信託財産たる不動産の名称:アークヒルズフロントタワー
 ③優先交渉期間:2022年5月11日から2025年5月11日
 ④取得先:赤坂二丁目合同会社
 ⑤権利の概要:合同会社は、優先交渉期間中に本投資法人又は本資産運用会社から希望する売買実行日及び購入希望価格を記載した書面での購入の申し出があった場合には、本投資法人との間で本信託受益権の売買条件につき協議を行い、かかる協議の結果合意に至った場合には、かかる合意に従って投資法人に対して信託受益権を売却します。
 この場合、投資法人の購入希望通知の内容が所定の条件に従ったものであるときは、合同会社は、不合理に合意の成立を妨げてはならないものとされています。また、合同会社は、優先交渉期間中、上記手続を経ないで本信託受益権を売却し、又は信託受託者をして本物件を売却させてはならず、また、自ら又は信託受託者をして、投資法人又は資産運用会社以外の者に対して、本物件及び本信託受益権の購入の申込みの勧誘を行い、又は行わせることも、一定の例外的な場合を除き、禁止されてると述べています。

【写真:日鉄興和不動産オフィスサイト】


優先交渉権取得の経緯と理由

 投資法人は、信託受益権を保有する本合同会社を営業者とする匿名組合契約に係る匿名組合出資持分の49%の取得を目的として、スポンサーである日鉄興和不動産㈱との間で 2022年2月18日付で売買契約を締結しています。売買契約において、投資法人はスポンサーとの間で、投資法人による匿名組合出資持分の取得後、合同会社が本信託受益権についての優先交渉権を投資法人に対して付与するようにスポンサーが合同会社との間で誠実に協議することにつき合意しており、当該協議の結果、投資法人が合同会社から本優先交渉権を取得するに至りました。
 なお、優先交渉権の取得に伴い、投資法人が本合同会社又はスポンサーに支払う対価はなく、また、優先交渉権は、投資法人が権利として有するものであり、信託受益権につき取得義務を負うことはありません。
 優先交渉権の取得は、信託受益権の取得を目指す投資法人にとって将来の取得の蓋然性を高めるものであり、投資法人の運用基本方針である、中長期的な観点から、安定した収益の確保と着実な運用資産の成長を目指すという目的にも合致したものであると考えているということです。

 スポンサーSPCであることから資産運用会社の利害関係者になるためか、非常に詳しく説明されています。これは「売り手(SPC)側の都合で売却しませんよ。」という点を強くアピールしたいという狙いがあると考えられます。つまりスポンサーSPCは外部投資家がいないので投資法人の取得タイミングをいつまでも待ちますよということだと思います。既に匿名組合出資しているという立場なのでここまでプレスリリースに書けるということだと考えられますが詳しい情報を記載することは投資家さんにとってもよいことなのでIR姿勢については個人的には素晴らしいと思います。