2022年5月18日にケネディクス商業リート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が7,010円のところ7,090円で着地しました。

コロナ禍においてもNOI利回りが上昇
20220525ケネディクス商業リート投資法人賃貸事業利益推移

 ケネディクス商業リート投資法人は2022年3月期の商業施設の不動産マーケットについて新型コロナウイルスの感染拡大の環境下において飲食店を含むサービス系店舗や一部のアパレル店舗が売上を落としていますが、食品スーパー、ホームセンター等の生活必需品を扱う専門店は引き続き底堅い需要を維持しています。
 金融環境については、資源価格の高騰、地政学リスクの顕在化等の影響を受けた正解経済の動向、米国等における金融引き締め路線への転換等の影響で不安定な環境が続いています。不動産売買市場においては、国内での緩和的な金融施策等を背景に、投資家による不動産への投資意欲は継続しており、活発な取引が行われているとしています。
2022年3月期の外部成長は3物件(キテラタウン福岡長浜:取得価格6,000百万円、キテラプラザ青葉台:取得価格2,553百万円、天理配送センター:取得価格1,070百万円)を取得し、3物件(代官山アドレス・ディセ(準共有持分30%):譲渡価格1,993百万円・取得価格1,617百万円、ケーズデンキ湘南藤沢店(底地)及びプライムスクエア自由が丘:2物件譲渡価格合計6,360百万円・2物件取得価格合計5,989百万円)を譲渡しました。その結果、2022年3月期末におけるポートフォリオは、合計66物件(取得価格の総額247,291百万円)となりました。ポートフォリオ全体で99.2%の稼働率となる等、良好な稼働状況で運営されており、また、保有している商業施設及び物流施設のエンドテナント数は519件とテナント分散が図られたポートフォリオとなっています。上記運用の結果、業績は、営業収益10,254百万円、営業利益4,756百万円、経常利益4,131百万円、当期純利益4,127百万円となりました。

グリーンボンド発行も効果的に働き格付評価UP

 2022年3月期においては、資産の取得にあわせた資金の借入れ(3,000百万円)を実施する一方、既存借入れの借換え及び投資法人債の償還資金への充当を目的とした借入れ(8,750百万円)を行い、2022年3月期末の借入金残高は114,300百万円、投資法人債を含めた有利子負債(有利子の敷金・保証金を除きます。)は123,300百万円となりました。また、既存借入れの借換を目的とした借入れの一部(7,000百万円)につきましては、本投資法人としては初となるグリーンローンとして調達しています。
 資金の借入れに際しては、返済期限の分散化と長期化を図る一方で、財務戦略上の機動性や柔軟性の観点から、借入れを行いました。また、一部の長期借入金については金利上昇リスクをヘッジするため、金利スワップの活用等により、金利を固定化しています。一方投資法人債については2022年1月に2,000百万円の第7回無担保投資法人債(グリーンボンド)を発行し借入金の返済の一部にに充当しました。現在の残高は9,000百万円となっています。以上の結果、2022年3月期末の借入金及び投資法人債の平均残存年数は4.5年、加重平均金利は0.96%、長期負債比率は99.4%、LTVは44.7%となりました。2022年3月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱日本格付研究所(JCR)、長期発行体格付:AA-、格付けの見通し:安定的