2022年4月期決算のJ-REITの収益性について分析しました。

・NOI利回り
20220628J-REIT(4・10月決算)NOI利回り推移
20220628J-REIT(4・10月決算)NOI利回り推移2

 NOI利回りのNOIは賃貸事業収入から賃貸事業費用を差し引き、減価償却費をプラスすることで算出しています。ケネディクスオフィスリート投資法人はマーケット賃料の上昇も一部物件で見られるものの、マーケット賃料の低下とテナント入替や賃料改定時の賃料増額積上げにより、レントギャップの縮小傾向は継続できているようです。ポートフォリオ全体でのレントギャップが縮まる中、マーケット賃料を下回るテナントとの継続的な交渉により、賃料増額件数が増加。ネットでの増額改定実績を継続しています。しかし、リーシングにかかる期間は長くなってきているためNOI利回りは低下しています。

 レジデンス系のスターツプロシード投資法人は各住居タイプで平均入居期間が伸びています。コスト削減、更新料増収等に寄与しています。
 シングル(第28期末:平均4.5年→第33期末:平均5.0年)
 DINKS(第28期末:平均4.1年→第33期末:平均4.5年)
 ファミリー(第28期末:平均4.9年→第33期末:平均5.4年)
 全体(第28期末:平均4.6年→第33期末:平均5.0年)
 ここにきて県民割などの旅行をアシストするような政策が出始めてきていきます。がっつり追い風になりそうなのは星野リゾート・リート投資法人くらいですが、上手く需要を取り込んで欲しいところですね。ただ、ホテルは現状固定賃料にしてしまっている物件もいくつかあるので分配金として投資家さんの利益になるにはまだ時がかかると思います。

 後は、トーセイ・リート投資法人は決算発表会資料の中で水道光熱費の収支がひっ迫しているとしている部分があり光熱費の値上げのダメージがあるようです。これはトーセイ・リート投資法人に限ったことではないと思いますが、光熱費削減のために電力会社から新電力に変更している場合があります。流石に電気量が跳ね上がるような派手な料金メニューを選択しているということはないでしょうが、賃貸事業費用のコストマネジメントが更に重要になってきていますね。積水ハウス・リート投資法人では2022年1月より順次、住居111物件のうち106物件の共用部において、CO₂排出量が実質的にゼロとなる電力プランに切り替えを実施していますが、これが裏目に出ないことを祈ります。


・当期純利益率
20220628J-REIT(4・10月決算)当期純利益率推移
20220628J-REIT(4・10月決算)当期純利益率推移2

 4月・10月決算投資法人の当期純利益率はグラフの通りです。2022年4月期も特に不動産マーケットに大きな動きはありませんでした。4月・10月決算投資法人の物件売却も上手くいっているようです。現状2022年4月期末ベースでは稼働率が回復している投資法人が多いのですがNOIの上昇に寄与するレベルまでの回復となるとまだまだ時間がかかりそうです。

・ケネディクス・オフィス投資法人
  KDX虎ノ門一丁目ビル、売却損益:770百万円
・NTT都市開発リート投資法人
  スフィアタワー天王洲、売却損益:2,231百万円
  品川シーズンテラス、売却損益:▲15百万円
・スターツプロシード投資法人
  プロシード中野新橋、売却損益:69百万円

 オフィスビルではケネディクスオフィス投資法人、いちごオフィスリート投資法人は物件の規模感がダブっているところがあります。決算短信では、いちごオフィスリート投資法人は福岡市等地方の物件が取得対象になってきそうな感じでしたが、投資法人みらいも中規模の地方都市のオフィスビルを取得検討している様なんですよね。その投資法人みらいですが、決算説明会資料の中で投資法人として恐らく初めてコロナ後のポジティブなイメージを植え付ける仕上がりとなっていました。「賢守共攻」という某いちごの「心築」みたいなダサい感じの使い方が気になりますが、ホテルの変動賃料への期待等―足早く回復基調に乗っかり後発の投資法人から一気にトップクラスに躍り出たいという気概が感じられます。ホテルをシェアオフィスにしても上手くいってないだろとと言ってはいけません。成長の起点と考えているのはやはり、ホテルのようでこれからホテルの取得が増えてくるのではないかと考えられます。