エスコンジャパンリート投資法人の資産運用会社エスコンアセットマネジメント㈱が行政処分を受けたと発表しました。 

資産運用会社に対する行政処分 

(1) 業務停止命令 

 新たな資産運用委託契約の締結禁止及び不動産(不動産信託受益権を含む)の取得に係る運用指図禁止

(2) 業務改善命令 

 ①本件に関する投資法人の投資主に対し、今回の行政処分の内容を十分に説明し、適切な対応を行うこと。 
 ②投資法人資産運用会社として、公正かつ適切な業務運営を実現するため、法令等遵守に係る経営姿勢の明確化、経営陣による責任ある法令等遵守態勢及び内部管理態勢の構築、並びに、これらを着実に実現するための業務運営方法を見直すこと。 
 ③本件発生原因を究明したうえで、投資運用業に係る意思決定の妥当性を検証するための社内プロセスの明確化など、利益相反管理について十分な態勢を構築することを含め、具体的な再発防止策を策定すること。 
 ④今般の検査結果を踏まえ、経営陣を含めた責任の所在の明確化を図ること。 
 ⑤上記①から④までの対応状況について、2022年8月15日までに書面で報告するとともに、その全てが完了するまでの間、随時書面で報告すること。 

処分の原因となる事実

 ①不動産鑑定業者の独立性を損なう不適切な働きかけ 

 資産運用会社は、親会社等の利害関係者が保有する不動産を本投資法人に取得させる際には、第三者である不動産鑑定業者に対して、取得させようとする不動産の鑑定評価を依頼し、算定された鑑定評価額を上限として当該不動産の取得価格を決定している。  
 しかしながら、資産運用会社は、不動産鑑定業者から提示された鑑定評価額に係る中間報告又は概算額が親会社の売却希望価格に満たなかった3物件の不動産について、親会社の売却希望価格を優先し、親会社の売却希望価格を伝達するなどしたうえで、鑑定評価額が当該売却希望価格を上回るものとなるよう、算定を依頼した不動産鑑定業者に対し、鑑定評価額を引き上げるための働きかけを行っていた。こうした行為は、不動産鑑定業者の独立性を損なう不適切な働きかけであると認められる。 

 ②不適切な不動産鑑定業者選定プロセス 

 資産運用会社は、親会社からの取得となる複数物件の不動産鑑定評価を依頼する際、親会社の売却希望価格を上回る鑑定評価額を得ることを企図して、複数の不動産鑑定業者から不動産鑑定評価に係る概算額を聴取し、そのうち最も高い概算額を提示した不動産鑑定業者の鑑定報酬額が、概算額を聴取した他の不動産鑑定業者と比して最も廉価になるよう、当該不動産鑑定業者と交渉していた。さらに、資産運用会社は当該不動産鑑定業者による概算額が最も高かったことを伏せたうえで、当該不動産鑑定業者の鑑定報酬額が最も廉価であることを理由に、当該不動産鑑定業者を鑑定評価の依頼先として選定していた。これは、親会社の売却希望価格で本投資法人に取得させることを最優先とした不適切な不動産鑑定業者選定プロセスであると認められる。

業務改善に対する対応 

 資産運用会社は、今回の行政処分を厳粛に受け止め、上記業務改善命令に掲げられた法令等遵守に係る経営姿勢の明確化、経営陣による責任ある法令等遵守態勢及び内部管理態勢の構築、並びに、これらを実現するための業務運営方法の見直し等に全役職員を挙げて真摯に取り組む所存です。
 資産運用会社では、基準の制定を含め不動産鑑定評価に関する資産運用会社の業務の適切性を検証する態勢の再構築及び組織変更等にすでに取り組んでおります。かかる取組みの内容を含めて、今後、監督官庁との協議及びご指導のもと、具体的な業務改善計画を纏め次第、公表する予定。

根本的には解決しない

 資産運用会社の人事をいじくっているようですが、再任する代表取締役が日本エスコンから来た人じゃないですか。これじゃ根本的に解決しませんよ。せめて外部から役員を招聘することでもしないかぎり。これは再発防止ではなく、「これからはバレないようにやります」という宣言にしか見えませんけど。中電不動産開発㈱と絡めてニュースになっているような気がしますが、中電よりも日本エスコンが問題だと思います。