2022年5月期決算のJ-REITの安全性について分析しました。

・有利子負債利子率
20220803J-REIT(5・11月期決算)有利子負債利子率推移
20220803J-REIT(5・11月期決算)有利子負債利子率推移2

 2022年5月期はJ-REITに対する金融機関の融資姿勢に概ね変化はなく、借入環境は安定的と言えると思います。ですが、スポンサーの動向がイマイチ不透明な大江戸温泉リート投資法人では有利子負債の圧縮に努めました。緊急事態宣言やまん防等の影響によってホテルは厳しい状況ではあるのですが、大江戸温泉リート投資法人の場合は固定賃料をほぼスポンサーから収受する仕組みとなっていることからこのスポンサーの将来性について不確実性がリスクとして強まっているようです。痛いのは運用物件をすべて担保に差し出している状況なのでレンダーのご機嫌を良くする案が資産運用会社としては準備できないという状態に陥っているのではないかと思います。要するにスポンサーであるローンスターに「待ち」を食らっている状態なのではないでしょうか。もちろん表向きは大江戸温泉物語㈱と大江戸温泉物語ホテル&リゾーツ㈱なのはご存じの通りですが、レンダーは既にとってはこれらを主導力の無いスポンサーと評価を下している可能性が高いです。特にどことは言いませんが、大江戸温泉物語ホテル&リゾーツ㈱と大江戸温泉リート投資法人のどちらにも融資しているレンダーが厳しい評価をしていることは間違いなく、それが他のレンダーの波及していると考えられます。


・LTV(有利子負債比率)
20220803J-REIT(5・11月期決算)LTV推移
20220803J-REIT(5・11月期決算)LTV推移2

 LTVは有利子負債÷総資産で算出しています。大江戸温泉リート投資法人は有利子負債の圧縮に動いたことでLTVが34.2%にまで減少しました。少しでも借入余力を上げることが目的なのでしょうが、資金繰りとの兼ね合いで分配金も拠出してなければならない都合上、個人的にはこのままLTVを更に下げることはしにくいかなと思います。後は、アクティビア・プロパティーズ投資法人、平和不動産リート投資法人が物件取得時の借入金による影響で前期よりも上回っていますが、これまでの推移と大きな乖離もな他の投資法人はレンダーとの関係は良好だと考えられます。
 1つ気になるのは大和証券オフィス投資法人が2022年1月から㈱大和ネクスト銀行とコミットメントライン契約の締結を行っているということです。大和証券オフィス投資法人はその名の通り、大和証券という金融系のスポンサーがついており、大和証券はSMBCとも仲が良いのでコミットメントラインを締結しなくても資金調達が行えると思います。始めはスポンサーが金融系なのに資金調達面でサポートしないことに対して他行レンダーへ誠意を見せる意味で締結したと予想していましたが、単純に楽して売上げを上げようという大和証券サイドの考えによる締結ではないかと思うようになりました・・・。