2022年9月2日にしんきんアセットマネジメントよりJ-REITマーケットレポートが開示されましたのでご紹介致します。


 2022年8月のJ-REIT市場は、一進一退の動きの中、小幅に上昇しました。月初は、株高を好感し、東証REIT指数は7か月ぶりの高値まで上昇しました。ただ、利益確定売りに加え、利上げ加速が米景気を悪化させるとの懸念が和らぎ、米金利が上昇に転じたことを受け、利回り面でみた投資妙味が低下したことなどから、上旬はやや軟調な動きが続きました。中旬は、米金利低下を受け、利回り面での投資妙味から買いが強まり、再び7か月ぶりの水準まで上昇する
など、堅調な地合いが続きました。下旬は、一旦売りに押されましたが、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演で米金融引締めが長期化するとの警戒が強まったものの、押し目買いも入り、底堅い地合いが続きました。
 今後は、一進一退の中、上値を探る展開を予想します。7月の東京都心のオフィス空室率が2か月ぶりに低下したことや、賃料の下落が鈍化してきていることは安心材料です。人の動きが回復する中、東京都が助成する観光支援事業「もっとTokyo」の試行再開も下支え材料です。他方、20、21日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれます。0.5%の利上げなら安心感が広がる一方、0.75%の大幅利上げ継続なら、投資家心理が悪化する可能性があり注意が必要です。米金利が上昇する可能性がありますが、日銀の強力な金融緩和の下、国内金利の上昇は限定的とみられます。新型コロナの感染動向なども確認しながら、上値を探ることになりそうです。

20220909しんせいアセットJ-REITレポート2022年8月

8月の主要指標

 東証REIT指数
  2,033.71円前月比(+0.6%)

 東証REIT指数(用途別)  
  オフィス   1,908.42(前月比+0.5%)
  住宅     3,381.16(前月比+0.4%)
  商業・物流等 2,545.14(前月比+0.7%)