2022年9月14日にアドバンス・レジデンス投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が5,600円のところ5,641円で着地しました。

厳選取得をしても鑑定評価利回りは下がり続けている
20220927アドバンス・レジデンス投資法人NOI・NCF・ROA利回り
 2022年7月期の外部成長は築浅のスポンサー開発2物件及び第三者から3物件の合計5物件(取得価格合計65億円)を取得しました。いずれの物件も各所在エリアにおける希少性の高い物件であり、取得競争が厳しい中においても本投資法人は着実に外部成長を実現しました。内部成長につては計画的に大規模修繕工事を実施し、保有物件の機能維持・意匠の改善を図っています。加えて、大規模修繕工事を行った物件を中心に、個別住戸についても設備更新や間取り変更等を伴うバリューアップ工事をテナント入替時に実施することで、競争力の維持・向上に努めています。大規模修繕工事は、2022年7月期8件(工事金額税込 1,134百万円)実施しました。また、バリューアップ工事については、計49件(工事金額税抜 205百万円)実施することができました。2022年7月期バリューアップ工事を実施した住戸のうち、2022年7月31日までに新たな賃貸借契約が締結された24戸では、前契約賃料に対して、賃料を平均24.8%引き上げることができ、従前同様、バリューアップ工事が効果的に内部成長に寄与しました。2022年7月期の期中平均稼働率は96.7%(前年同期比+0.8pt)になりました。稼働率については、コロナ禍以前の水準まで回復しています。東京23区のシングルタイプの条件緩和は継続する一方、都心部を含めファミリータイプについては引き続き底堅い需要があり、新規契約賃料においては例年と同水準で引き上げることができました。結果、入替時賃料変動率は+1.5%(前期比+2.2pt)と前期のマイナスからプラスに改善しました。上記のような運用の結果、2022年7月期の実績は、営業収益17,253百万円、営業利益8,312百万円、経常利益7,488百万円となり、当期純利益7,488百万円となりました。
 取得利回りはさておき、鑑定評価利回りは低下しているんですよね。これは収益が減少傾向にあることと、不動産マーケットの取引価格が上昇傾向にあることを意味しているんですよね。収益の減少はコロナによるものということで説明がつくのですが、不動産マーケットの取引価格の上昇については円安の影響で外資が活発に動いているようですね。


平均支払金利の低減及び残存年数の長期化

 財務戦略の基本方針は、有利子負債の調達金利の低減と残存年数の長期化、金利の固定化、返済期日の分散化です。2022年7月期は、総額184億円(平均支払金利0.58%、平均調達年数8.6年)の借入れ等を実施できました。これにより2022年7月期末の平均支払金利は0.59%となり、前期の0.61%から支払金利の低減を実現しました。また、残存年数は5.0年から5.1年に長期化し、財務基盤の一層の強化を図ることができました。
 また、サステナビリティの取り組みとして脱炭素社会の実現に貢献するべく、再エネ価値取引市場においてトラッキング付き2021年度FIT非化石証書を購入し 、投資法人保有物件共用部の2021年度の電力使用量(対象期間 2021年4月~2022年3月)は、実質再生可能エネルギー100%由来となり、物件共用部における電気由来の温室効果ガス排出量の削減を達成しました。これにより、温室効果ガス排出量Scope2の約99%を削減しました。DBJ Green Building認証及びCASBEE不動産評価認証については、2022年7月期末、23物件、ポートフォリオの延
床面積ベースで28.9%について取得しています。省エネ対策の一環として保有物件における共有部照明のLED化を継続的に進めており、2022年7月期は新たに6物件においてLED化を行いました。当期末現在で115物件(ポートフォリオの41.5%相当)においてLED化が完了しています。