イオンリート投資法人が2022年9月30日に、2022年10月20日に返済期限が到来する借入金 208 億円のうち33億円の借換え資金に充当するため、資金の借入れに関する決定をしたと発表しました。

借入れの内容

 ①借入予定先:三井住友信託銀行㈱(信託口)
 ②借入予定金額:33億円
 ③利率:未定
 ④借入実行予定日:2022年10月20日
 ⑤借入方法:三井住友信託銀行㈱が組成する合同運用指定金銭信託(名称:イオンリートグリーントラスト〈202210〉
 ⑥返済期限:2025年10月20日 
 ⑦返済方法:期限一括弁済予定
 ⑧担保:無担保・無保証を予定


借入れの理由

 イオンリート投資法人は、「商業施設等への投資を通じて人々の豊かな生活の実現と地域社会へ貢献すること」を基本理念とし、「地域社会の生活インフラ資産」への投資を通じて中長期にわたる安定した収益の確保を目指しています。投資法人が資産の運用を委託するイオン・リートマネジメント㈱は、こうした理念や目標を実現するためには、業務全般におけるESGへの配慮と、そのためのステークホルダーとの協働が重要であるとの考えに基づき、「サステ
ナビリティに関する方針」を策定し、その実践を図っています。かかる取組みの一環として、今般、三井住友信託銀行株式会社が組成する合同運用指定金銭信託を利用した資金調達を実施することを決定しました。本件は、ESG 投資に関心の高い投資家層の取り込み、投資法人の資金調達手段の多様化及びグリーンファイナンス市場におけるプレゼンス向上に資するものと期待されます。
 借入れは、2022年10月20日に返済期限が到来する借入金208億円のうち 33億円の借換え資金に充当します。上記借入金 208 億円のうち上記借入予定金額33億円を除く175億円については、別途借入れを予定しているということです。
 

イオンリートグリーントラストって何だ?
20221016イオンリートグリーントラスト
【出典:イオンリート投資法人プレスリリースより】

 イオンリートグリーントラストとは、投資法人の「グリーン適格資産」に係る取得資金、借換え資金等への充当を資金使途とする貸付金で運用されるグリーン合同運用指定金銭信託(名称:イオンリートグリーントラスト〈202210〉)であり、国際ガイドラインである「グリーンボンド原則」及び環境省によるグリーンボンドガイドラインに準拠したもの。イオンリートグリーントラストにおける投資法人への貸付金については、資産運用会社の策定したサステナビリティファイナンス・フレームワークに定めるグリーンローンとして調達します。
 フレームワークに対する第三者評価として㈱日本格付研究所(JCR)より「JCR サステナビリティファイナンス・フレームワーク評価」の最上位評価である「SU1(F)」の評価を取得しています。なお、借入れにて調達した資金は、グリーン適格資産たる「イオンモール甲府昭和(既存棟)」及び「イオンモール鹿児島」の取得資金に充当した借入金の借換え資金に全額充当予定。

 グリーンボンドで借りてその支払利息がイオンリートグリーントラストを通じて投資家に分配されるという仕組み。イオンリート投資法人としては、普通にグリーンボンドで借りれば良いのに思うのですが、この合同運用金銭信託を利用する人は超安全志向だけど預金利息では物足りないという資産運用に関してネガティブだが預金には不満というタイプの投資家にニーズを取り込む狙いがあるものと考えられます。このタイプで融資を受けるのはJ-REIT初だと思うので財務面では新たな取り組みといえますね。