2022年10月19日にオリックス不動産投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,680円のところ3,852円で着地しました。
取得も先取りなら売却も先取り
オリックス不動産投資法人は、外部成長戦略、内部成長戦略及び財務戦略を推進し、1口当たり分配金等の安定的成長を通じ、投資主価値の安定的成長を図っています。2022年8月期は、2022年4月に「クロスレジデンス飯田橋」(取得価格6,000百万円)を取得しました。また、
2022年4月に「ラウンドクロス三田」(売却価格1,800百万円)及び2022年6月に「ビサイド木場」(売却価格4,135百万円)を売却しました。また、2023年2月1日付にクロスレジデンス金沢香林坊について㈱フージャースコーポレーションに(売却価格3,525.8百万円)売却することが決定しています。
ビサイド木場は2002年上場時より保有している物件で、現在築31年目を迎え、今後相応の修繕コスト負担が想定されること。満室で稼働しているもののオフィス立地としては競争力が劣るエリアととらえ、将来的な競争力に懸念を感じるということでの売却です。クロスレジデンス金沢香林坊は、賃貸マンションとしては高スペックであるものの、競合する分譲賃貸(分譲マンションを賃貸用に貸し出した物件)が近年増加しており、それらと比較すると、経年(築15年)に伴
い設備・スペック等で見劣りしてしまうことから稼働率が軟調に推移しており、今後の競争力の低下が懸念されるということで売却ということになっています。
運用管理面は前期に続き、オリックスグループの専門性と全国ネットワークをオリックスシナジーとして活用し、投資法人の資産運用会社であるオリックス・アセットマネジメント㈱によるダイレクトPMを通じた物件の競争力向上やテナントリレーションの強化を図ります。2022年8月期も、オフィス、都市型商業施設及び住宅における稼働を重視したリーシングを推進し、投資法人の保有する不動産関連資産の稼働率を2022年8月において97.5%に引き上げることができました。
平均調達コストが下がっていることが伝わってますか?
資金調達の面では、従来同様に財務の安定性に配慮した調達を実施しつつ、調達金利を低減を図り機動的な物件取得を可能とするLTV水準と流動性を確保っています。2022年8月期は期限の到来した既存の借入金の返済資金に充てるため2022年3月から2022年8月までに21,830百万円の長期借入を行いました。2022年6月には長期借入金1,000百万円の繰上弁済を行いました。結果として、2022年8月期時点における借入残高は264,037百万円、投資法人債残高は30,500百万円、有利子負債残高は294,537百万円となり、LTV(総資産ベース)は43.1%、固定金利比率は93.6%、長期負債比率は84.6%となりました。
2022.8期以降決算発表日時点までに21,140百万円のリファイナンスを行ったということでして
平均調達金利が0.98%→0.58%となりました。しかし、平均調達期間7.7年が6.4年と短くなっています。日本都市ファンド投資法人のように「調達期間が長くなりました。平均コストも下がりました。」なら、分かるのですが、「調達期間が短くなりました。平均コストが下がりました。」ではそりゃそうだろと投資家の方は思うのではないでしょうか。オリックス不動産投資法人としては59%も平均金利が下がったということをアピールしたいのだと思いますが、もう少し工夫しても良いと思います。(見せ方という意味で)2022年8月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱格付投資情報センター(R&I)、発行体格付:AA-、格付の見通し:安定的
・㈱日本格付研究所(JCR)、長期発行体格付:AA、格付の見通し:安定的
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