2022年10月19日に福岡リート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,500円のところ3,523円で着地しました。

リニューアル、イベントを実施し近隣商圏からの来場強化

 2022年8月期の運用状況は、オフィスビル、物流施設、住宅及び生活圏型商業施設のアセットタイプについては堅調な運用実績となる一方で、都心型商業施設であるキャナルシティ博多では引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を残しており、ホテルでは観光需要等の戻りが弱いことから回復に至らない状況で推移しています。2022年8月期の外部成長については、「博多」駅から徒歩約8分の場所に立地するオフィス物件である博多筑紫通りセンタービルを2022年3月1日に取得しました。投資法人の、2022年8月期末のポートフォリオ(取得価格ベース)を投資対象エリア別で見ますと、福岡都市圏への投資比率が77.1%となっており、投資タイプ別の投資比率は、商業施設53.0%、オフィスビル33.0%、その他14.0%となっています。
 また、投資法人が資産の運用を委託する資産運用会社である株式会社福岡リアルティでは、環境・社会・ガバナンス(ESG)への配慮を通じたサステナビリティを推進するため、サステナビリティ方針及びサステナビリティ推進体制要領を定め、サステナビリティ推進委員会(構成委員は、常勤取締役、執行役員及び部長です。)を設置し、社内体制、社外関係者との協働、情報開示方針等について、具体的な目標や施策の検討、施策実行に関する進捗状況の把握を行っています。実務面では、サステナビリティ推進委員会で決定した目標に関する実務的な責任者であるサステナビリティ執行責任者(企画部長)がサステナビリティ推進室長を兼務し、サステナビリティ推進室において、GRESBリアルエステイト評価(Green Star)、責任投資原則(PRI)及び21世紀金融行動原則(PFA21)の継続業務等を行っています。
 2022年9月には気候変動に関するリスクと機会への対応及び気候関連課題への事業・戦略のレジリエンス(強靭性・回復力)に係る取り組み方針として「気候変動・レジリエンスポリシー」を定めた上で、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明するとともに、国内賛同企業による組織である「TCFD コンソーシアム」へ加入しました。2022年8月期の営業収益は8,830百万円となり、賃貸事業費用や資産運用報酬等の営業費用を控除した後の営業利益は3,181百万円、経常利益は2,805百万円、当期純利益は2,804百万円となりました。

平均負債残存年数は5.2年→5.4年に伸長
20221029福岡リート投資法人NAV倍率推移

 資金調達の動きとしては6,000百万円のリファイナンスを行うとともに、1,500百万円の新規資金調達を行った結果、当期末における有利子負債残高(投資法人債を含みます。)は83,900百万円となりました。ESGへの配慮を通じたサステナビリティを推進すべく、総額7,500百万円の資金調達の内6,500百万円について、サステナブルファイナンスによる調達を行いました。期末総資産有利子負債比率(投資法人債を含みます。)は41.7%、期末固定化比率(有利子負債の中で金利固定のものが占める割合です。投資法人債を含みます。)は93.4%となっています。また、株式会社福岡銀行をエージェントとするコミットメントライン契約(極度額:60億円)について、コミットメント期間を1年延長し、コミットメントラインの残存期間を3年にしています。引き続き返済期日の分散等によるリファイナンスリスクの軽減に努めるとともに、固定化比率の見直し等を含めた金利上昇に伴う調達コスト増加の軽減について、今後、検討していくとしています。
2022年8月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱格付投資情報センター(R&I)、発行体格付:A+、格付の見通し:安定的
・㈱日本格付研究所(JCR)、長期発行体格付:AA-、格付の見通し:安定的