2022年11月2日にしんきんアセットマネジメントよりJ-REITマーケットレポートが開示されましたのでご紹介致します。

 
 2022年10月は売りに押される動きが続きましたが、下旬は大きく買い戻されました。豪中銀が小幅な利上げにとどめたことを受け、景気への配慮から米欧の中銀も急激な金融引締め姿勢を転換するとの期待から一旦上昇しました。その後は米連邦準備制度理事会(FRB)が積極的な利上げを続けるとの見方や、米長期金利の上昇を警戒した売りなどから、軟調な動きになりました。米長期金利の高止まりを受け、利回り面でのリートの相対的な投資妙味が薄れるとの見方や相次ぐ公募増資が重しになり、24日には東証REIT指数は1,854.20 ポイントまで下落しました。ただ、FRBが12月以降に利上げを減速させるとの観測や米長期金利が低下に転じたことから、買い戻しの動きが強まりました。
 今後は上値を探る動きを予想します。新型コロナの感染拡大が抑制されていることや、政府が新型コロナの水際対策を緩和し、観光支援策である「全国旅行支援」も開始されたこと、また日銀の強力な金融緩和の下、国内の長期金利の上昇が抑えられていることは安心材料です。9月の東京都心のオフィス空室率は8月から横ばいと、上昇が一服していることも下支え材料です。もっとも、東証REIT指数は大きく値を戻してきており、利益確定売りに押される場面もありそうです。他方、FRBが利上げペースを減速させるとの観測が広がると、米長期金利が低下し、投資家心理が上向くことも想定されます。米金融政策をめぐる思わくに振らされることには引き続き注意が必要です。

10月の主要指標
20221107しんきんアセットJ-REITレポート2022年9月

 東証REIT指数
  1,974.70円前月比(+1.5%)

 東証REIT指数(用途別)  
  オフィス   1,882.68(前月比+3.5%)
  住宅     3,177.38(前月比▲1.7%)
  商業・物流等 2,453.05(前月比+0.4%)