2022年10月28日に日本プライムリアルティ投資法人がひっそりとS&Pの格付けを取下げることを発表しました。

直近のS&P格付け

 長期発行体格付:A、アウトルック(安定的)
 短期発行体格付:A-1

 →全く悪くない格付けなのですが、一度得た評価を中々上げにくいというところがS&PやMoody'sの問題なんですよね。そして、個人的にはいつまで経っても日本の不動産の商慣習的なところも理解しようとしないところが格付機関の問題かなと思います。全部の国や会社がIFRS(国際会計基準)の適用している訳ではないんだよ!!と言いたくなりますね。

取下げの理由

 格付に関する効果及び費用等を総合的に勘案し、格付けを取下げを決定しました。

 効果及び費用ということからコストが割高であるということは理解できます。(というか実務柄知っている)この格付の取得・維持に要するコストは融資関連費用の金額に含まれていると思いますが、少なくとも日本プライムリアルティ投資法人は今期から下がるということになります。コスト削減により少しは利益が上がると思うのでここは賛同できますね。

他の格付は好調

 日本プライムリアルティ投資法人は㈱日本格付研究所(JCR)と㈱格付投資情報センター(R&I)の2社から格付けを受けています。

 ①JCRから得ている格付け
  ・長期発行体格付:AA(安定的)
 ②R&Iから得ている格付け
  ・長期発行体格付:AA-(安定的)

 こちらの2社の方がダブルスターでありインパクトがありますね。こちらの何れかを取得しておけば問題無く投資法人債の発行も問題無く行うことができるという点も格付けの取り下げの理由だと思います。JCRなんかかは特にスポンサーしか見てないようなところもあるので発行体格付けA(シングルエー)は難なく取得することができます。なんせ上場していないJ-REITへの格付けも平気で行う格付機関ですからね。資産運用会社にとってはこれ以上便利な格付機関はありません。
 反対にもし格付を得ている得ていないというところでJ-REIT銘柄の取得を検討する材料となっている投資家さんがいるとしたら気を付けた方が良いと思います。